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 韓国は大邱市の地下鉄放火は大惨事となった。放火した犯人はノイローゼらしく多くの人と一緒に死にたいと客車内でガソリンのような物にライターで点火したらしい。炎は瞬く間に車内を走り対向車線に入ってきた車輛にも燃え移ったというから怖い。現地からの報道だと、上下線の十二車輛が僅か十分足らずで延焼したそうだ▼十九日正午現在での死者は百二十六人。負傷者は百四十六人に達している。犠牲となった人々は対向車の方が多く殆どの遺体は損傷がひどく身元の確認は難航しているとかで遺族の苛立ちは激しい。それにしても火災は恐ろしい。電車の中は焼けただれ座席や手摺りも焼け車輛などの鉄の部分が無残な姿をさらけ出している。事故のあった中央路駅構内までもが真っ黒に燃え尽くし火災の凄まじさを無言で語る▼これまでの地下鉄の事故を見るとアゼルバイジャンの首都バクーの地下鉄が火災を起こし三百人近くが死亡したのが最大だ。一九九五年は十月だった。次ぎが今回の放火だけれども、大郤市では九五年の四月に地下鉄工事の現場でガス爆発が発生し百一人が死亡している。同じ年に東京であったオウム真理教の信者による地下鉄でのサリン散布の死者は十二人であるのを見れば、今回の放火事件が如何に酷いかがわかる▼この放火事件で国土交通省と東京などでは火災対策の点検を通達したが、日本でもいつ同じような事故が起きても不思議はない。消防庁が電車を使っての実験だと、条件次第で惨事生むの結果が出ているそうだし、何よりも注意が第一と考えたい。(遯)

03/02/20

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