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文協選挙・マニフェストを問う=三つ巴の戦い~統一シャッパはあるか=連載(3)=「頭ならいくらでも下げます」=高木ラウル編

2007年4月27日付け

◆自派シャッパの評価は
 「しんせいきのかい」のメンバーを始め、一世を多く取り込んだシャッパが特徴だ。
 前回見せた対立構造から一ひねり。一世が立てた二世会長候補は、「政治家の先生からも『ラウル頑張れ』ってメッセージがたくさんきてますよ」と日本との太いパイプを強調する。
 成和塾元代表世話人の谷広海氏を右腕に選び、日本側での活躍に期待をかける。横田パウロ、中沢宏一の両副会長候補が強いアクセントを添える。   
 一日で作ったというシャッパだけに「無理があった」と素直に認めながら、だからこそ統一に拘った、と振り返る。 
 渡部氏に統一シャッパを作るコーディネーター役を依頼されたことについて、「私がやりたいのは会長だけ」とこだわった。    上原氏が出馬したらシャッパは出さない、との明言を覆したのは、GASが組んだシャッパの人選を挙げる。「黙っておれないと思った」 
 シャッパ提出期限の十八日に高木氏は文協に出向き、上原氏に支持の要請をしている。話を受けたのは、たまたま居合わせた渡部和夫氏。上原氏は沈黙を守っていたという。 
 「やらされた上原さんは残念」と隠然たる渡部氏の影響をけん制する。   ◆文協の経営について
 「改革を考えるのではなく、実現したい」とやんわりと上原二期を評価する。
 会員に対するメリットを増やすアイデアには、地方から出聖した会員が宿泊するホテルの割引を始め、本屋、日伯文化連盟(アリアンサ)の日本語教室へとの提携など具体的だ。
 商工会議所との関係を重視、学生街として発展しつつあるリベルダーデを活性化するための文化発信に大講堂の重要さを挙げる。  改修に関しては、椅子やプレートを協力者の名前を付けることで、寄付を募りたいという。
 「プライドなんてない。文協のために頭はいくらでも下げますよ」。資金面調達には自信を見せる。
◆新聞社の去就について  三十年近く邦字新聞に関わってきたうえで、主要な日系団体には参加しないことで中立を守ってきた。
 しかし、「時代も変わったし、評議員選挙で一位になった」ことからその気持ちが芽生えたという。
 新聞社社長と文協会長の二足のわらじを履くことに支障はないとしながらも、「必要とあれば離れてもいいと考えている」とこだわりは見せず、「大事なのは文協に集中すること」とあくまでも会長就任に意欲を見せる。
◆統一シャッパについて
 副会長候補に入った杓田美代子氏が、シャッパ提出直前まで小川彰夫氏を支援していたことから、決選投票を睨んだうえでの「出来レース」との声もある。
 「一緒にやる可能性はありますよ。けど、皆と話して結論を出す必要がある」と統一シャッパの可能性は否定しない。
 渡部氏の提唱する合議制については、「それは二年前にやるべきことだったのでは」と断じながらも、「自分から積極的に話してきたし、これからも同じ。自分が当選しても手伝ってもらいたい」とあくまで融和を説く。
   ◎   ◎     無冠であるべきの新聞社、その代表がブラジル日系社会を代表するとされる文協会長になることに対しては、少なからず批判がある。
 だからこそシャッパの取りまとめ役を、との声も強かったが、水泡に帰した。 GAS、小川両派と一緒に出来ることが最良としながらも、「箱を開けるまでは分からない」と二十八日の結果を待つ。
   (堀江剛史記者)

文協選挙・マニフェストを問う=三つ巴の戦い~統一シャッパはあるか=連載(1)=「アイデアと心の繋がりを」=小川彰夫編
文協選挙・マニフェストを問う=三つ巴の戦い~統一シャッパはあるか=連載(2)=「統一シャッパの可能性はある」=渡部和夫編

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