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県連ふるさと巡り=日伯の絆たどる旅=ES・ミナス路を行く=連載《2》=最古の町ヴィラ・ヴェーリャへ=テルセイラ・ポンテの絶景

ニッケイ新聞 2007年10月17日付け

 二日目、午前九時にホテルを出発した一行は、ヴィトリアに隣接する同州内最古の町ヴィラ・ヴェーリャへと続くテルセイラ・ポンテ(三番目の橋)と呼ばれる橋を渡った。
 この橋は一九八三年に建設されたもので、正式名称はPonte Deputado Darcy Castello de Mendonca。橋の長さは三・三キロ、最大の高さは七十メートル、支柱の幅は約二百メートルと同州内最大の建築物だ。
 一番高い地点からは、眼下に海岸沿いに伸びた町並みが、綺麗に広がっていた。この町並みにバスの中から写真を撮る姿が多く見られ、また、嬉しそうな声が聞かれた。
 この地域はすでに二本の橋がかかっており、プリメイラ・ポンテ(一番目の橋)、セグンダ・ポンテ(二番目の橋)と呼ばれているために、テルセイラ・ポンテと一般的に呼ばれている。そのため、この橋の正式名称を呼んだところで地元の人たちは誰も分らない、と言われている。
 続いて一行は一五五八年に建てられたノッサ・セニョーラ・ペーニャ(nossa senhora penha)教会へ。教会までの道は、石畳の道のため大型バスで登れないとのことで、バンに乗り換えて登って行った。
 バスの中では歩いても登れると話があり、数人は楽しみにしていたが、時間の都合上バンに乗らなければならなくなった。藤倉寿美子さん(山形)は「せっかく歩いて登りたかったのに」と残念そうな様子。
 コンベント・ペーニャ(convento penha)に聳え立つ同教会に、参加者から感嘆の声が漏れた。岩を切り開いて建てた教会へ続く、当時のままの石畳が歴史を感じさせる。階段を登りきり教会の前に立つと、眼下にヴィラ・ヴェーリャの町並みが広がっていた。
 土曜日のこの日は教会内でミサが行われており、内部に入ることが困難なほど人が溢れかえっていた。
 中にはサントス出身の画家ベネジット・カレスが描いた、ポルトガルとオランダとの戦争風景画があり、多くの人が目を止めていた。その他、同教会に関係する博物館も併設されている。
 一行は同教会から出ているバンで来た道を引き返し、バスでヴィラ・ヴェーリャ市内のさらなる見学地へと向かって行った。
(つづく、坂上貴信記者)



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