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親子宰相の揮毫碑揃う!?=サントアンドレー百周年=今年は福田首相、父は70年=4月の地球市民環境会議に=高崎との姉妹提携が縁で

ニッケイ新聞 2008年2月16日付け

 サンパウロ市近郊サントアンドレー市が群馬県高崎市と姉妹都市提携(一九八一年に締結)を結んでいる縁で、同市で四月に百周年記念の「地球市民環境会議」が行われる。サントアンドレー市としては、それに合わせて福田康夫首相の揮毫(きごう)による、百周年記念の「温故知新」という字の刻まれた碑を建立、除幕する予定だ。同市の高崎公園には、すでに宰相の父、福田赳夫首相(当時)の揮毫による移民七十周年記念「拓魂」碑もあり、日本憲政史上初の親子宰相による、それぞれの記念碑が隣り合わせに建立される。
 「一昨年、日本で福田首相にお会いしてきました。父親の赳夫議員が来伯されたときの写真をお見せしたら、『親父はブラジルで、えらい有名だったんだな』とすごく喜んでくださいました。あの時は、まだ普通の議員でしたが」。サントアンドレー市役所と共に受け入れ準備を進めている同日系連合会の牧半治会長は、そう思い出す。
 その時にお願いした揮毫「温故知新」がすでに届いており、百周年を記念した石碑に刻む。福田議員が昨年から首相に就任したことを受け、議員事務所にお願いし、肩書きを「首相」に変える許可ももらった。
 牧会長は十五日早朝、市役所担当者らと設置予定地を訪れ、大きさなどを打ち合わせし、製作に取りかかる段取りをした。
 市内の日本庭園「高崎公園」には、一九七八年に移民七十周年記念で建立された父、福田赳夫首相による揮毫碑がある。高崎市が地元であり、その縁で八五年、タンクレード・ネーベス大統領就任式に日本政府代表として来伯したおり、赳夫氏は同市を訪れている。この石碑は高さ三メートル、幅一・五メートルの立派なものだ。
 この父親の碑の横に、福田康夫首相の碑が並ぶことになる。牧会長によれば、大きさは父親のものとほぼ同じだという。
 高崎公園には〇一年に高崎市からの支援により、大きな鳥居も建立された。同様に祝い橋も造られ、二都の絆を深める場所として市民に親しまれている。
 この石碑が除幕する機会となる、高崎市と姉妹都市提携をする五都市(五カ国)代表が環境問題を話し合う「地球市民環境会議」は毎年一回、各都市持ち回りで行われており、今回はサントアンドレー市が百周年を記念してブラジル開催を希望していた。
 テーマは「ミレニアム開発目標/未来都市」。予定では松浦幸雄高崎市長、丸山和久高崎市議会議長のほか随行者、会議参加者を含む十二人と、現在募集中の市民訪問団が参加する。
 参加するのは同市をはじめ、群馬県高崎市と姉妹都市提携のある米国ミシガン州バトルクリーク、中国河北省承徳市、チェコ・プルゼニの六都市。
 牧会長は「忙しいだろうが、福田首相にもぜひ来伯してもらい、サントアンドレーを訪れて欲しい」との希望を語った。

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