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どんな国難にも負けない日本に=平成24年 元旦=内閣総理大臣 野田 佳彦

新年特集号

ニッケイ新聞 2012年1月1日付け

 平成24年(2012年)の年頭に当たり、ブラジルにお住まいの日系人及び日本人の皆様に謹んで新年の御挨拶を申し上げます。また、昨年、東日本大震災に際して皆様から寄せられました物心両面にわたる御支援に対し、改めて厚く御礼申し上げます。日本から遠く離れた南米の地にこれほどの親日国が存在するのは、ひとえに、ブラジルへ移住し、苦労を重ねつつも、ブラジル社会に貢献してこられた皆様方の御尽力の賜物です。
 今、我が国の政府が取り組むべき最大、かつ最優先の課題は、言うまでもなく被災地の復興です。しかし、このために内向きに陥るのではなく、この震災を新たな挑戦の契機として、どのような国難にも負けない強靭な「人の力」、「技術の力」によって、人類の未来に貢献する高い志をもって前に進んでいくことが大切だと考えています。
 例えば、災害に強い社会の構築、原子力発電の安全性の強化は世界共通の課題であり、この震災で得た防災・原子力安全の分野での教訓や知見を世界に発信することは、我が国が担うべき国際貢献の一つの形態です。
 今こそ、皆様の先人たちが、海外の新天地に雄飛し、大変な困難を克服して確固たる日系人社会を築き、移住先国の発展に貢献してこられた歴史を思い起こし、困難なときにこそ強さを発揮する日本の力を示すべき時だと思います。
 本年6月の国連持続可能な開発会議(リオ+20)、2014年のワールドカップ及び2016年のオリンピック開催等、世界の注目を集める大きなイベントを控えて、我が国におけるブラジルへの関心も益々高まっています。
 国際社会において益々重要な役割を果たしつつあるブラジルと我が国の連携が、皆様のお力添えを得て、今後ともますます強固に発展していくものと確信しています。
 最後に、海外で新年を迎える皆様のより一層の御多幸と御繁栄を心から祈念いたしまして、私の新年の挨拶といたします。

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