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YOSAKOIソーラン10周年=第8回=ロンドリーナ市 グルッポ・サンセイ=本場 札幌大会へ夢の出場

ニッケイ新聞 2012年7月19日付け

 「何が何でも実現させる」—大会の知名度やチームのレベルも上がってきた今、目指すは日伯間でのチーム交流だ。2008年に札幌で開催される、第17回YOSAKOIソーラン出場を心に決めた。
 本場の祭りを視察し、現地のYOSAKOIソーラン祭り組織委員会に打診するため、07年6月、飯島氏を始め3人のブラジルYOSAKOIソーラン協会メンバーで北海道札幌を訪れた。
 同委員会では「参加者同士が直接交流できることが大事」との考えの下、アメリカ、中国やシンガポールなど他国と双方向の関係を築いており、ブラジルチーム受け入れにも前向きな姿勢を示した。
 早速、翌月末にあった第5回大会には、同祭組織委員会の山口敏郎理事、日伯YOSAKOIソーラン連絡協議会の鮎川季彦事務局長らが視察に訪れ、翌年6月に札幌市である第17回の祭りにグルッポ・サンセイがゲスト出演することが決まった。
 日伯間の渡航費や滞在費の確保が課題だったが、日本までの旅費は飯島氏が支援、チームはバザーを開くなどし、日本側では千葉県で美容業を営む鮎川事務局長らが日本全国でチャリティーカットを開催し資金を調達した。
 約30人が訪日し、札幌市内の複数の会場で踊ったほか、決勝舞台にもゲストとして出場した。ロゴマーク無断使用の誤解が生じて以来、関係にしこりのあった同祭組織委員会の中田輝夫会長は「外国人が加わったチームでこれだけすごい踊りができるとは。誤解していて申し訳なかった」と感動で涙を流したという。
 「それからくるっと手のひらを返したみたいに協会の態度が変わって、歓迎されるようになった」と飯島氏は顔をほころばす。日伯両国の協会が和解した瞬間だった。
 今年、同グループは一参加団体として札幌を訪れ本場のチームと肩を並べて競い合い、奨励賞を受賞した。今月末に当地である大会には、本場札幌で2連覇を遂げた『夢想漣えさし』が訪れる。「具体的にグループ同士の交流は今回が初めて。大きな扉を開けることになる。これからもっとコラボできるようになるはず」と意気揚々と大会を待ち構えている。
 本場の祭りを直接目にしたことのない踊り手にとっても、実り多き大会になりそうだ。(つづく、児島阿佐美記者)

写真=一競合チームとして出場し、奨励賞を受賞(Foto: Cassio Koga)

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