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ニッケイ法律相談=その28=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2012年10月11日付け

 質問=73歳の戦後移民です。ブラジルに50年以上住み、帰化しています。移住当初からずっと農業に従事しており、今も現役です。65歳過ぎた頃に地元のINSSの事務所に年金の件で相談したところ、エンプレガード・レジストラードを使ったことがないから、と断られました。3年後に弁護士に依頼し、INSSに呼ばれ面接を受けましたが、同じ理由で断られました。しかし、「通知には弁護士に頼んで追訴できる」と書いてあったので再び弁護士に依頼しましたが、4年以上経った今も何の呼び出しもありません。掛け金は支払っていないので年金をもらえる可能性はほとんどないとは思いますが、どうなのでしょうか。
 回答=
あなたが農場主なのか、農場労働者なのかで異なります。もし農場を経営しているなら、従業員を雇っていてもいなくても、そのことを証明できる書類があればよいと思います。
 農場労働者であれば、労働契約を証明する書類、それがなければ3人ほど証人がいればいいと思います。(農業従事者の年金受給については、2012年2月25日付本紙7面で詳報を掲載)
     ◎
 質問=84歳の未亡人で、一人暮らしです。別々に暮らしている子供が3人おり、それぞれから同居するように言われていますが、近々養老院に入りたいと思っています。現在住んでいる家を売りたいのですが、夫に先立たれた妻にその権利はあるのでしょうか。
 回答=
亡くなったご主人の遺産と思われるあなたが住んでいる家の権利は、半分が妻であるあなたのもの、残り半分がお子さんのものです。
 したがって、お子さんたちの承認を得られれば売ることができます。承認を得られなかった場合は、裁判所に申し立てることで売却手続きを取れます。
 ただし、裁判所から最低の売却金額を指定されます。同じ値段と支払条件で複数の人が購入を申し出た場合でも、お子さんに優先権があります。

質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP, CEP 01506-000)まで。質問は日本語でもポ語でも可、ただしメールの場合はポ語のみ。質問内容をできるだけ明確にしてお寄せください。

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