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テアトロ・ユバ創立50周年=「音楽の集い」で先人に感謝=次回はシネマを26、27日に

ニッケイ新聞 2012年10月19日付け

 サンパウロ州ミランドーポリスの弓場農場は、昨年迎えた「テアトロ・ユバ」の創立50周年を記念し、昨年11月から今年末にかけて複数のプログラムを開催している。その一環として先月28日、プログラムの第4回目にあたる「音楽の出会い」が開催された。弓場農場の創立当時から多くの音楽を解説付きで流し、コーラスやピアノの指導を行い、音楽をたしなむ習慣を与えた先人への感謝の気持ちを込めて実施されたもの。

 同農場は2009年、連邦政府文化省、サンパウロ州政府が企画する「文化拠点(ponto de cultura)」に選ばれ、地元住民に弦楽器の指導を行なっている。その活動開始から3年目の節目の年を祝うため、遠方から通って指導を続ける講師、生徒、関係者らが集まった。
 現在農場ではアリアンサ、ミランドーポリス地域の参加者を含め約40人の生徒が音楽の指導を受けている。プログラムではリストやラフマニノフのクラシック音楽、日本の「九州炭坑節」「雪やこんこん」、ビートルズの「イエスタデイ」などが披露されたほか、芸術監督ウェリントン・レジナルド、マエストロのリカルド・カッピとルイス・アルベルト・コレアが受け持つ総勢47人のアンドラジーナ吹奏楽団が特別参加し、弓場の管楽器メンバーとの共演が実現し、会場は終始拍手に包まれた。
 恒例の売店ではユバの製品と飲み物、人気の焼きそばが販売され、開演3時間前から多くの訪問客が訪れた。
 次回のプログラムとして、巡回シネマを行っていた時代をしのんで「シネマの夕べ」が26、27両日、同農場の食堂で行われる。
 案内のため来社した同農場の小原あやさんによれば、同農場では80年代後半頃まで、食堂の中にスクリーンを設置して映画を上映していたという。「子供の頃、日本の映画を食堂でよく観ていた。その時代を再現したい」と話す。
 26日は「寅次郎相合傘」、短編アニメ「頭山」の上映、農場の日本語学校生徒によるアリアンサの映画の歴史についての発表などがあり、27日は弓場農場の2人が出演している「汚れた心」を上映する。
 同日は一般にも広く参加を呼びかけており、往年のポスターやチラシの展示や、午後5時半からたこ焼きやパステルなどの売店も出る。
 問い合わせは同農場(18・3708・1244)。なお記念プログラムは12月25、26日のクリスマス公演をもって終了する。

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