ホーム | 日系社会ニュース | サントリーがブラジル再進出=5月に事務所をオープン=長寿商品『角瓶』も販売=ウイスキーブーム狙い

サントリーがブラジル再進出=5月に事務所をオープン=長寿商品『角瓶』も販売=ウイスキーブーム狙い

ニッケイ新聞 2013年7月26日

 サントリーホールディングス社の子会社『サントリー酒類株式会社』(東京都、相場康則代表取締役社長)が今年5月、サンパウロ市に事務所を開設した。同社は1970年頃に進出し、製造販売や日本食店「燦鳥」の経営を行っていたが、2004年に撤退した。長寿ブランドウイスキー「角瓶」、焼酎、梅酒など10種の商品でブランド確立の再挑戦を目指す。19日にサンパウロ市イビラプエラ区で開かれた記者会見で相場氏(64、東京)は「品質の高い日本のウイスキーは受け入れられるはず。ある程度の販売が見込まれれば、現地生産も考えたい」との明るい展望を語った。

 当地で販売するウイスキーは「角瓶」と、「響」2種に「山崎」「白州」。年末に入荷予定の「響12年」は、イギリスで開かれる酒類品評会「国際スピリッツ・チャレンジ」(ISC)で最高金賞を受賞。9月に発売開始する「角瓶」も、近年、ソーダで割って飲む「ハイボール」ブームにより国内外で売上げが伸びており、同社のウイスキー販売は勢いが加速している。「黒丸」など3種の焼酎も、日本食店を中心に販売を始めた。
 当面は、販売代理店「TRADBRAS」がカバーするサンパウロ市とリオを中心に販促活動を行なう。
 本社海外事業部の杉江一夫課長(43、愛知)は、「ワインやウイスキー市場が伸びていて、日系社会のあるブラジル市場は魅力的。わが社のジャパニーズウイスキーをぜひ紹介したい」と意気込む。
 相場代表取締役社長は「初めはレストラン、ホテルやバー、業務店を通して富裕層向けに販売して認知度を高め、徐々にスーパーにも手を広げていきたい」との方針を語った。日本食店に関しては「需要があれば再開も考えている」という。
 サンパウロ市事務所には吉田辰史氏が社長に就任。現地スタッフは2人。「角瓶」は、当面は輸入で対応するが関税が高いため、近いうちに現地での瓶詰めに切り替えたいという。今年の年間売り上げは3千万円を見込む。
 【各商品の販売価格】角瓶(90〜120レ)、響17年(5〜600レ)、山崎(4〜500レ)、梅酒「Plum Dew」(40〜55レ)、リカー「MIDORI」(70〜90レ)、焼酎3種(黒丸、なんこ、わんこ/80〜120レ)。

image_print