日本代表=「日系社会の大歓迎に驚き」=公開練習に5千人が熱狂=着伯翌日から軽快な動き=日本人学校との交流も

 W杯に臨むサッカー日本代表が8日、サンパウロ州ソロカバ市営競技場で一般公開練習を行った。会場には日本代表を一目見ようと、5千人を超える観客が訪れ、近隣住民、駐在員、サンパウロ日本人学校や日系学校の児童から熱い声援が送られた。代表チームは直前合宿を行った米フロリダから、前日の夜に着伯したばかりだったが、移動の疲れも見せず、決戦の地で初の全体練習に臨み、軽快な動きを見せた。

詰めかけた観客席のみなさん

詰めかけた観客席のみなさん

 午後4時過ぎ、日本代表メンバーがピッチ上に姿を見せると、観客席は総立ちとなり大歓声が上がった。サンパウロ日本人学校の生徒約250人が選手らを出迎え、記念撮影を行った。
 その光景に同校の村石好男校長は、「子どもたちにとって夢のような時間。イトゥー市に合宿地が決定した後、公開練習が近くで行われるのではないかと思い、交流の時間を設けようと働きかけた。その結果、日本サッカー協会から快諾を受け実現して良かった」と喜びを語った。
 ほぼ全員が日本代表のユニホームを着て交流した。生徒たちからは「本田のサインをもらった」「生で見る選手かっこよかった」と興奮さめやらぬ声が聞かれた。
 地元ソロカバ在住の日系三世、クラリア・ヤマヤさん(16)は「家族6人で駆けつけた。日本の選手はカッコいい人が多い」と笑顔を見せ、英語で「カガワ、ホンダ、シャツをください!」と書かれた手製のプラカードを手にスタンドから声援を送った。
 選手はウォーミングアップの後、シュート練習とミニゲームを行った。一つ一つのプレーに大きな歓声が上がり、会場は盛り上がりを見せ午後5時半に終了した。
 日本テレビのアナウンサーで報道番組「NEWS ZERO」などを担当する鈴木崇司さんは、「客席からは良いプレーに歓声が上がり、悪いプレーには落胆の声やブーイングが上がった。選手らに話を聞いたところ、反応が素早く目の肥えたファンが多くいることが、いかにもブラジルらしくて印象的だったよう。また日系社会の大きな歓迎にも驚きの声が聞かれた。私自身も日本にルーツを持つ人間が多く存在していることに非常に驚いた」と話した。
 テレビ局とともに取材に訪れた元日本代表MFの藤田俊哉さんは「日本人学校との触れ合いは良い光景だった。選手たちには思いっきりプレーしてもらい、一つでも多くの試合をこなしてほしい」と期待を込めた。