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青森県人会60周年祝う=母県の慶祝団28人迎え=民間の協力で研修も継続

 今年で創立60周年を迎えた青森県人会(玉城道子会長、会員数約300人)が24日、栃木県人会館で記念式典を開催した。在聖総領事館の佐野浩明首席領事に加え、本橋幹久県連会長ら多数の日系団体代表者、母県から訪れた佐々木郁夫副知事、阿部広悦県議会議長、かねさ株式会社、東奥日報旅行センターの職員など28人の慶祝団を迎え、約250人が節目を祝った。式典後は技術研修生らを招いた交流会が持たれ、制度の意義が再確認された。中田みちよ第二副会長を編集長に記念誌も制作中で、年内刊行を予定している。

 青森県民の移住は、日伯修好通商航海条約の締結から2年後の1897年に始まり、約1500人弱が渡伯したといわれる。戦後、母県からの要請を受け、54年10月に39人の有志が集まって県人会が結成された。
 名和渋川幸子第一副会長の開会の辞、両国歌斉唱と先没者への黙祷に続き、玉城会長が「皆さんの支援と助けでここまで歩んでくることができた」と挨拶した。
 佐々木副知事は「県では今、世界が認める青森ブランドの確立を目指しているので、60周年を機に県人会との友好を一層深めたい」、阿部県議会議長は「皆さんのご功績は県民にとっても誇り」と祝辞を述べた。
 続いて80歳以上の高齢者78人に表彰状が贈られ、森村吉蔵さんが代表して受け取った。記念品等の交換も行なわれた。
 技術研修生代表として、2010年に八戸工業大学で研修した渋川ラファエル君が壇上に立ち、時折涙ぐみながら日本語で研修への感謝を述べた。同制度は1974年に開始し、ブラジルからは175人が利用した。青森県国際交流協会の塩越隆雄会長によれば、「県費留学制度は廃止されたが、民間が協力的なので研修制度自体はこれからも続く」と継続への見通しは明るい様子だ。
 県民の歌「青い森のメッセージ」を全員で斉唱して閉会し、祝賀会になった。佐々木副知事は黒田節を、阿部議長はネクタイを頭に巻いて詩吟を披露し、会場を沸かせた。
 青森銀行県庁支店長の谷津大輔さん(50、青森)は、「ブラジルに来るのは初めてだが、母県と交流したいという皆さんの強い気持ちを感じる」と話した。
 会員の高坂光丸さん(77、青森市)は、「何か行事がある時は必ず来る。あと40年生きて、県人会百周年にも参加したい」と快活な笑顔を見せた。

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