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東西南北

 ブラジルを代表する家具や家電の大型小売店、カーザス・バイアの創業者、サムエル・クライン氏が20日、サンパウロ市アウベルト・アインシュタイン病院で呼吸器不全のために亡くなった。91歳だった。1923年にユダヤ系ポーランド移民として生まれた同氏は、第2次世界大戦中にナチスからの迫害にあい、強制収容所から脱出した壮絶な体験を持つ。52年にブラジルへ渡って来た同氏は、ポルトガル語もよく話せない中、サンパウロ州ABC地区で行商をはじめ、北東伯から移住してきた貧しい人たちに分割払いでも品を売ることを思いついた。それがカーザス・バイアのはじまりで、同店は現在、15州約500店舗を誇っている。
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 「黒人の意識高揚の日」で休日だった20日のサンパウロ市だが、この日、もっとも人が殺到したのは市内で現在注目の展覧会だった。市中央部のピナコテッカ美術館では、オーストラリアの彫刻家ロン・ミュエクによる、人間そっくりの作品「ハイパー・リアリズム展」に人が殺到、2時間待ちの行列が出来たという。また市西部のトミエ・オオタケ美術館での20世紀の大物画家、サルヴァドール・ダリ展も盛況だったという。
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 19日、パルメイラスの新本拠地、アリアンツ・パルケで待望の初公式戦が行なわれた。この試合を白星で飾りたかったパルメイラスは、結果はスポルトに0―2であえなく敗戦。勝てば全国選手権1部残留がより確実になるはずだったが、この敗戦で順位(14位)こそ変わらなかったものの、2部降格圏内の17位のチームとの勝ち点はわずか1点差に。

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