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援協=65歳以上に医療費3割引=総合診療所で15日開始=会員割引は一律廃止へ

 今年7月をもって新規会員に対する診療割引を廃止したサンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)が、12月度の日伯友好病院経営審議会および理事会において、旧会員への割引も廃止すると決定した。法的な問題を回避し、年々審査が厳しくなる公益福祉団体認定を維持するためにはやむをえない決断だったようだ。代替策として、15日からリベルダーデ区の総合診療所において、65歳以上全員を対象に診察料と33項目の検査費用の3割引が始まった。関係者らは同措置への理解と、引き続きの支援・協力を求めている。

 今年6月末までに入会した旧会員に対し、援協は長年、経済的困窮者や高齢者の医療面での支援を目的に、医療費の会員割引を行なってきた。
 しかしながら冒頭の理由により、やむなく7月以降の新規会員への割引を中止。そして今回、割引率を下げた状態で継続していた旧会員への割引も廃止されたことで、会員割引は一切なくなった。
 中には診療割引を目当てに入会していた人も多く、6月の時点で1万1987人だった会員数は右肩下がりに減少、11月には1万1112人にまで減った。そのため7月以降は、いかに会員を留めておくかが地区委員らの悩みの種となっている。
 尾西貞夫・地区組織委員会委員長は「出来るだけ会員をやめないでほしいと65歳以上を対象に割引を始めたが、それでも『皆割引してもらえるなら同じこと』と退会してしまう人もいる」と嘆き、「福祉団体なので100レアルの年会費は寄付と思って協力してほしい」と呼びかけた。
 足立操事務局長も「援協は身を切って医療費を安くしている。会員になる方が得だという考えではなく、援協がそこまでやるなら支えようと思ってもらいたい。そういう善意の輪が広がることを期待している」と理解を求めた。
 割引対象となる検査項目は以下の通り【レントゲン】胸部、膝、脊椎、足、顔面、首【超音波検査】腹部全体、前立腺、子宮、乳房、甲状腺【心臓内科】心電図、負荷心電図、心エコー、胃カメラ【臨床検査】HDLコレステロール、総コレステロール、クレアチニン、尿検査、検便、ガンマGTP、血糖値、TGO、TGP、中性脂肪、尿素窒素、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、便潜血反応、血液一般検査、赤沈検査、甲状腺ホルモン検査、前立腺腫瘍マーカー。

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