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イビラプエラ公園内の慰霊碑を訪ねた安倍夫妻
イビラプエラ公園内の慰霊碑を訪ねた安倍夫妻

コロニア10大ニュース

 やはりなんといっても10年ぶりの首相来伯だろう。これを機会に様々な分野で交流が加速化しそうだ。来年の120周年、ジャパンハウスの着工、翌年のリオ五輪と続く今後のビッグイベントに伴う両国の関係強化を十分に期待させるニュースだった。そしてW杯。日本代表はリーグ戦敗退と残念な結果となったが、日系社会は組織的な支援で日本に対してもしっかり存在感を示した。統一選挙での日系議員の健闘、移住地、県人会の周年行事も多くあり、なんとも忙しい一年だった。

【1位】安倍晋三首相夫妻が訪伯=経団連も、交流活発化へ

 安倍晋三首相夫妻が8月1日、中南米5カ国歴訪の最終訪問国としてブラジルを訪れた。日本国首相の訪伯は、2004年9月の小泉純一郎首相(当時)以来10年ぶり。
 首都ブラジリアでジウマ大統領と首脳会談、日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議等に参加。これにより、首脳会談の頻繁な実施や外相対話の例年開催、日本の中堅・中小企業のブラジル進出への投資促進、3年間で900人の伯研修員の受け入れ、数次査証(ビザ)の発給等が決定したほか、穀物輸送インフラや医療・保健分野、海洋資源開発など様々な分野での協力が決まった。
 同首相はこの訪問を、双方が利益と発展を享受する「戦略的なパートナーシップの新たな夜明け」と位置づけた。 
 日伯医療分野規制に関するセミナーや経団連も参加した日伯ビジネスフォーラム、日系団体関係者らとの懇談会に出席。来年の日伯外交樹立120周年を視野に入れた日語教育支援やJICA日系社会ボランティアの増員、次世代日系人指導者招聘制度の拡充が決まるなど、コロニアとっても嬉しい置き土産を残した。
 文協大講堂での記念講演では、1100人余りの参加者と異例の記念撮影を実施し、山口県人会館を電撃訪問し、関係者を狂喜させた。
 首相に同行した昭恵夫人も独自路線の外交を展開した。ブラジリアの日本語モデル校、カルモ公園の桜祭り、憩の園、サンタクルス病院、リベルダーデ広場などを訪問し、気さくに現地住民と触れ合い好印象を残した。

【2位】64年ぶりのW杯に沸いた伯国=日系団体支援、成績は…

 今年6月、サッカーの母国ブラジルで64年ぶりのW杯が開催された。日系人の多い当地とあって、自国のような雰囲気を作るべく、各地日系団体が奔走。レシフェ、ナタル、クイアバの試合3会場では独自の応援グッズを作成し、現地伯人を巻き込み声援を送った。
 聖市では、在聖総領事館と日系5団体が邦人訪聖者の支援委員会を設立。注意喚起や宿泊地の提供、日語対応可の診療所で緊急事態に備えた。
 大きな事件・事故もなく無事閉幕となったが、日本チームはリーグ戦で敗退。開催国ブラジルもドイツに大敗し、悔しさの残る大会となった。
 大会中には、Jリーグ横浜FCの「カズ」こと三浦知良選手が特別大使として、聖州グアルーリョス市の特別養護老人施設「あけぼのホーム」を訪問。元日本代表の中田英寿さんも、自身が演出したカフェを聖市ピニェイロス区と、県連日本祭りに特別出店した。
 また日本の報道では、治安の悪さやW杯開催反対デモ、試合会場やキャンプ地イトゥー宿舎の工事の遅れが話題に挙がった。

【3位】外交120周年の準備着々=花火企画や展示会が目玉に

 1895(明治28)年11月5日の「日伯修好通商航海条約」締結から、120周年となる2015年。梅田邦夫・駐伯大使を委員長として今年8月、当地で正式に実行委員会が発足した。
 主な周年事業は二つ。服飾デザイナーのコシノジュンコ氏演出の花火企画が9月に聖市内で、ウジミナス製鉄所やセラード開発など日伯共同プロジェクトの展示会が国内8カ所ほどで巡回開催される。また海上自衛隊練習艦隊の寄港も決定している。
 2カ月に1回のペースで会合を重ね、今月にロゴマークも決定。年明け1月から早速、サンパウロ、ブラジリアなどで、開幕行事が行なわれる。
 各州でも実行委員会を設立しており、全伯各地の日系イベントを記念事業として開催予定。特にパラナ州は同州日本人入植百周年、兵庫県との姉妹州県提携45周年と、3つの節目を同時に迎えることになり、州政府の協力を得て記念行事を執り行う。
 またベレン、ポルト・アレグレも同様に、州政府と連携し委員会を立ち上げた。

【4位】ジャパンハウス設立へ=政府広報施設が聖市に

 日本政府は骨太方針として6月、日本の真の姿や魅力を発信するため、広報文化施設『ジャパンハウス』(仮称)の設置検討を始めた。8月の安倍首相来伯も影響し、当地も開設地に選ばれた。
 外務省の外交戦略責任者が9月、当地で邦字紙向けに会見し、日系社会と協力して運営する意向を表明。今月17日には一般向けに説明会も行なわれた。運営は民間委託となり、15年内の着工、翌16年の開設を目指す。
 コンテンツ(中身)は、入札で決定した請負団体が外注して整備。それとは別に運営委員会を設立し、伯人有識者や日系社会関係者などで構成する。立ち上げから運営まで第三機関としての役割を担う。
 同施設の設立がコロニアにどのような影響をもたらすのか、どういった形で運営に関われるか注目が集まる。

【5位】統一選 日系議員5人が再選=安部下議は惜しくも落選

 10月5日に行われた統一選挙の結果、5人の現職日系議員が再選を決めた。
 連邦議員選では大田慶子(PSB)、飯星ワルテル(PSD)両議員が聖州選出当選議員中それぞれ50位、57位で再選。パラナ州からは高山秀和氏(PSC)が5位、西森ルイス氏(PR)が17位で再選した。
 州議院選では、西本エリオ(PSDB/DEM)、羽藤ジョージ(PMDB)の2氏がそれぞれ聖州議中19位、79位で、南麻州では瀧本ジョルジ州議(PDT)が24位で再選を決めた。
 現職の安部順二下議(PSD)は落選したが、補欠1位で繰り上げ当選の可能性を残している。初出馬したサンジョゼ・ドス・カンポス市のアメリア・ナオミ(PT)、元連邦下議のウィリアン・ウー(PV)両候補も補欠3位、1位で共に繰り上げ当選の可能性を残す。

【6位】アギアが日本をテーマに=ねぷたがカーニバルへ

 最近2回の聖市カーニバルのスペシャル部門で連続総合3位に入った有力チーム「アギア・デ・オウロ」が、来年のテーマに「日伯外交樹立120周年」を選んだ。
 日本からサンバダンサーが来るのみならず、青森県五所川原市から巨大立佞武多「鹿嶋大明神と地震鯰」(高さ23メートル、19トン)がやって来る。また、伯人力士・魁聖関の本番当日のパレード招聘や8月の浅草サンバカーニバルにアギア側からダンサーや打楽器隊メンバーを送る計画もある。
 同チームのシジネイ・カリウオウロ会長は「日本への親愛の意を表すだけでなく、『勤勉、努力家だけど内気』といった日本のイメージにとどまらない、喜びにあふれ、心のオープンな新しい日本人像を紹介したい」と意欲を示している。

【7位】CG沖縄県民入植百周年=慶祝団迎え盛大に祝う

 沖縄県系人の大集団地、南マットグロッソ州カンポグランデ市で8月、沖縄県民移民入植百周年が盛大に祝われた。
 1914年に完成したノロエステ線の敷設工事に携わった県民の一部が住み着いたのが同地コロニアの始まり。市の日系人1万5千人のおよそ7割が県系人と言われる。
 14日は母県から高良倉吉副知事や喜納昌春県議会議長、稲嶺進名護市長はじめとする慶祝団、ハワイ、ボリビアからも多数の出席者を迎え、同市沖縄県人会が盛大に記念式典を開催した。
 移民が降り立った元ノロエステ鉄道駅近くの公園に記念碑が設置されたほか、入植および鉄道敷設百周年を記念し「第9回ソバフェスティバル」も盛大に開かれた。
 約600人が先人の労苦に感謝を捧げるとともに、カンポグランデと沖縄県、南麻州との末永い友好を誓った。

【8位】NIATREが閉鎖=吉岡会長「非常に残念」

 ブラジル労働雇用省の事業として2011年1月10日に文協ビル内に開所した「帰伯労働者情報支援センター」(NIATRE)が、12月25日に閉所した。開所から今年6月末までの利用者は1万1298人に昇る。
 職業案内が主な業務だが、履歴書の書き方指導や企業の人事担当者を招いての講習会、ボランティア教師による帰伯子弟のためのポ語教室、年金や就学手続きに必要な書類の手配など、帰伯者が必要とする支援を幅広く行ってきた。
 同センターの運営を行っていたISEC(文化教育連帯学会)の吉岡黎明会長は、「ここに来れば何とかなるという認識が帰伯者たちの中に浸透してきただけに残念。帰伯者支援事業を復活させるには、議論の土台となる『デカセギ現象』の包括的な研究がさらに必要だ」と述べた。

【9位】6県人会が節目迎える=知事ら計226人が来伯

 6つの県人会が創立記念式典を開催し、知事や副知事が来伯した。和歌山県人会は4月、創立60周年を迎え、仁坂吉伸知事ら75人が慶祝に訪れた。
 宮崎県人会は8月、県人移住100周年、県人会創立65周年記念式典を開催。稲用博美副知事ら74人の慶祝団と国指定重要無形民俗文化財「高千穂の夜神楽」を迎え盛大に祝った。
 同月、青森県人会は協会創立60周年を迎え、佐々木郁夫副知事ら28人の慶祝団と晴れの日を祝う。
 10月、福井県人会が県人移住100周年、協会創立60周年記念式典を行い、石塚博英副知事、約20人が慶祝に訪れた。
 同月、北海道協会が道人移住95周年、協会創立75周年、センター建設15年の三つの節目を高井修副知事ら約20人の慶祝団と共に祝った。
 11月には、長野県人会が創立55周年を迎え、阿部守一知事ら9人の慶祝団を迎えた。

【10位】USP日系合格率が過去最低=90年ピークに減少

 ラ米最上位の名門、サンパウロ総合大学(USP)の日系人合格率が過去最低の9・5%を記録したことが判明した。サンパウロ人文科学研究所の宮尾進顧問が毎年独自で調査を行なっており、1978年の調査開始時11%から上昇し続け、90年の18%をピークに減少していた。
 この現状に「日系人が伯社会に溶け込んだ結果」という見解を示している。ただ減少傾向にあるとはいえ、聖州人口約4千万人の内、日系人が概ね100万人(2・5%)を占めているとすると、9・5%でも十分に高い数字だ。
 同氏は将来的に、日系人の人口比率と、同様の割合まで落ちることになる可能性もあると見ている。

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