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オーリャ!

 先日、カーニバル取材のためにリオを訪れた。夕方、ブロッコが練り歩き、ごった返すフラメンゴのカテーテ通りを歩いていると、スボンの前ポケットに何やら妙な感触が。サッと振り向くと13、4歳位の少年一人が、財布を抜き取り走りだすのに気がついた。
 何も考える間もなく反射的に手が伸び、少年のシャツを掴んで引きずり倒した。彼は暴れたが、周囲の援護もあって何とか取り押さえ、近くにいた警察に突き出した。
 ところが警察は、彼が未成年ゆえか軽い注意を促しただけで、盗人をその場で釈放した。毎度のことなのだろう。少年は悪びれる様子もなく走り去った。
 その少年が、もし凶器を持っていたらと思うとゾッとする。取られない対策はもちろん、いざという時に、抵抗せずに「取られる勇気」も必要だと思った。(史)

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