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挨拶に立つ島袋新会長
挨拶に立つ島袋新会長

島袋氏が沖縄県人会新会長に=百周年記念出版物の報告も=「沖縄文化を世界に発信」

 ブラジル沖縄県人会・ブラジル沖縄文化センターの『2015年度定期総会』が、22日午前10時からサンパウロ市の同県人会館で開かれ、会員ら約90人が出席した。14年の業務、会計決算報告、15年の事業計画案、会計予算案のほか、新執行部が決定し、単一シャッパで島袋栄喜氏(64、沖縄)が新会長に就任した。
 田場ジョルジ会長は体調不良で欠席、代わりに新会長の島袋氏が挨拶に立ち、会員らに昨年度の協力を感謝しながら、出席者の少なさについて「もっと関心を持ってもらいたい」と話した。議長には与儀昭雄氏が選出された。
 県人会の昨年度収支は収入約102万7千レ、支出約90万8千レ、13年度の繰越金約9万5千レを含めて約21万4千レの繰り越し。文化センターは収入約13万8千レ、支出約14万1千レで約3千レが赤字計上され、財政状況の厳しさが浮き彫りになった。
 今年度は民謡、古典音楽、舞踊、ゲートボール、ミス琉装、沖縄角力、柔道、ウチナー芝居など計23の行事を計画。6月には毎年恒例の慰霊法要、7月には郷土祭りも行われる。
 今年度予算は、県人会が60万7千レ、文化センターが22万レを計上。昨年度事業・収支報告、今年度事業計画・予算案ともに拍手で承認され、年会費の50レから55レへの値上げについても承認された。
 昨年9月24日に、県人移民100周年記念事業で発刊された『写真で見るブラジル沖縄県人移民の歴史』『笠戸丸県人325名の名簿とその足跡』について、宮城あきら編集委員長が「皆さんのお手元にお届けでき感慨深い」と話し、資金協力を得た西本エリオサンパウロ州議員や県人会員らに感謝の意を述べ、「全てのウチナーンチュの一致結束・協力の賜物であり、末永く愛読される事を願う」と述べた。
 赤嶺園子さん(74、沖縄)も8年がかりで移民の墓標やその家族を巡り編纂した自著『笠戸丸移民 未来へ継ぐ裔孫』(ニッケイ新聞編、沖縄タイムス刊)を紹介し、「先人に対する御礼の一冊。読後に先人への感謝を感じて頂ければ」と勧めた。
 続いて役員改選が行われ、新会長には島袋氏が就任した。島袋氏は「責任を感じる。これから県人会、うちなんちゅのために努力していく所存」と話し、「これまでは沖縄の伝統・文化をいかに二、三世に継承するかに重きを置いてきたが、今後はそれをブラジル社会や世界に向けて発信していく必要がある」との決意表明をした。
 新執行部は以下の通り。(敬称略)【第1~6副会長】高安宏治(一世)、上原テリオ(二世)、西原正三(同)、垣花輝明(同)、比嘉パウロ(同)、島袋カミーロ(三世)【会計】(第一)目差ジョン、(第二)平良栄子【書記】(ポ語)古波津セルジオ、(日語)島袋安雄

【大耳小耳コラム】

 沖縄県人会相談役の崎間達雄さん(72)がジャバクアラ支部の後援で製作したドキュメンタリー映画『三線』の完成発表を行った。在伯沖縄移民の声を元に、琉球時代からの三線の歴史を辿りながら、三味線の未来を考える作品。沖縄県人会22支部で上映予定、日語翻訳が完成し次第日本でも上映する。希望があれば無料の上映会も可能とのこと。3月4日三線の日に合わせて、三線の歴史に触れてみるのもいいかも。

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