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ポップカルチャー系が充実したミナス日本祭り

 先週末にあったミナス日本祭り。取材には出向かなかったが、プログラムを見ると、アニメケ(主題歌のカラオケ)、コスプレ大会、J―ポップダンスと、ポップカルチャー系が中々充実していた。公式サイトに掲載された写真の比率を見ても、半数程度が非日系のコスプレ姿で埋めつくされていて、同地におけるポップカルチャーの隆盛ぶりが伺えた▼やはり日系人の少ない地域で、自然と増えるのはこうした現代日本文化の愛好者なのだろう。漫画やアニメは場所を選ばず観たり読んだりできるので、距離を越えて世界中にファンの輪を広げられるという利点がある▼一方、伝統文化を広めるには教室や道場を設けたり、手順を追って教えたりと手間暇かかるし、何よりもそのための人材が必要だ。同祭は今年も、茶道裏千家や沖縄琉球国祭り太鼓、ダンスカンパニー「優美」など、サンパウロ市から日系団体を招へいし、伝統文化イベントを充実させていたが、逆を言えば、そうでもしなければ地元の伝統文化の担い手が足りない状況なのだろう▼漫画やアニメなどは非日系の客寄せパンダ。その集客力を期待し、県連日本祭りの会長も「コスプレに力を入れる」と張り切っている。しかし、今後はそこからどう踏み込んで、広く日本文化に関心を持つ若手を見つけ、育てるかという視点が必要だ▼このまま日系社会が縮小していくとしたら、人口が減っている日本が移民政策を打ち出したように、日系社会も〃文化移民(日本文化愛好ブラジル人)増加政策〃を採らざるをえないだろう。同祭を主導したリナウド・カンポス・ソアレス名誉総領事のような、熱意ある人材の誕生を期待したいものだ。(阿)

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