ホーム | 日系社会ニュース | ■ひとマチ点描■阿川佐和子が久保田邸前をパレード

■ひとマチ点描■阿川佐和子が久保田邸前をパレード

 愛知県犬山市の博物館明治村では15日に新村長就任パレートが行われた。初の女性村長でエッセイストの阿川佐和子さん(61)が、サンパウロ州レジストロ市から移築された久保田邸前を通過する写真が、米田誠士さん(67、兵庫)から送られてきた。米田さんは11年に国際交流基金の助成でモジ市お茶屋敷の模型制作のために来伯し、レジストロで模型制作講習会を開くなど当地と縁が深い。
 「鹿児島などでソメイヨシノの開花宣言が出て、日本は春が本番。新村長の就任式とパレードには6千人ほどの老若男女が見学にいきました。写真は久保田家の前を、阿川佐和子さんが年代物のフォードに乗ってゆっくりと進んでいるところです」とのこと。
 第1代村長は徳川夢声、第2代は森繁久弥、第3代は小沢昭一という重鎮ぞろい。阿川さんは村長宣言の中で「本来の日本人の誇るべき精神はどこにあったのか。(中略)かつて大量なる西洋の文化技術を取り入れながらも日本古来の技や知恵や精神をそこに吹き込んで、器用に自らの生活に融合させていった明治の人々の心を感じ取ってもらえるような場所にしたい」とのべている。日系社会にも余韻が残る明治の雰囲気を、今の日本にも――。(深)

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