朝日新聞よ、弱いものイジメか

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 朝日新聞1日付けに『悩める邦字新聞』と見出しを掲げる記事が載った。『苦境 南米で日系人口減少』。移民1世、日系1世と書く新聞だがこの内容なら、日本人とするべきではないか。決して日系人は減っていない。さて記事は『週2回800部に』の小見出しで、ブエノスアイレス「らぷらた報知」の窮状を淡々と伝え、古ぼけた書斎で裸電球の下に座った老事務員の写真を掲載する▼『北米でも廃刊』。「南米諸国の他の新聞も状況は変わらない」とし、二世社長に経営状況の厳しさ、部数の減少を語らせる。そこに嘘はない。だが移民にとっての新聞の意義に触れず、読者目線もない。このへんは実に朝日新聞らしいのだが▼小紙はこの数年で編集協力も加えれば10冊近くの書籍を出版した。朝日新聞が日本に伝えるわずかなブラジル情報よりも、小紙サイトが毎日アップする様々なニュースは価値が低いのだろうか。発行を続けるため日々生き残り策を練っている。国や規模は違えど、同じ言葉を紡ぐ新聞への温かさを感じないのは当事者だからだろうか▼そして初めて明るい見出し『新たな試み』。自動車メーカー進出で発行準備が進むメキシコの日本語新聞の話。だがフリーペーパーだ。書き手も読み手も背景も全く違う。同列に論じることに意味はあるのか。ならば一世紀以上の歴史を持つ有料邦字紙「羅府新報」と、10紙以上の無料紙がある米国ロスの状況をどう読み解くのか▼余りに救いのない形でメキシコの引き立て役にされいい面の皮だが、一連の捏造問題で購読が激減、公称だった800万部も読まれていないことが唯一の救いだ。(剛)

 

□コラム大耳小耳□

 「ニッケイ新聞とらぷらた報知が廃刊になったと聞いたが、誤報ではないか」―。という読者のメールが編集部に届いた。本日付け『樹海』で触れた朝日新聞記事を読んだ日本の人が連絡してきたのだという。本人は新聞が届いているだけに〃誤報〃と書いたわけだ。さもありなん、「悩める、苦境、廃刊、減少」と、これでもか―というほどネガティブな見出しを掲げられ、本紙の写真も使われているから「廃刊」と誤読されても仕方がない。存在すら知られてもいないのにイメージを貶められ、なんともやるせない。
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 しかし、『苦境 南米で日系人減少』の見出しは、いかがなものか。移民世代(日本人)の減少は確かだが、日系人は増大の一途だ。一般的な日本人の認識は、「日本人の血を引くこと」(広辞苑)だろう。「海外に住み永住権を持つものも日系人」とする解釈もあり、社の表記の基準もあるのだろうが、いずれにせよ「邦字紙読者は、基本的に日本人」というごく初歩的な知識が記者とデスクにあれば、こうした見出しは絶対につけないはずだ。捏造とまでいかないが、誤報レベルではないのか。