新レジ袋となあなあ主義

 ハダジ市長がサンパウロ市内で使うレジ袋統一を発表したのは今年1月。4月5日からは全市共通の袋の使用が義務付けられ、警告や罰金適用も始まったが、日々目にする光景は90日間の適応期間中の市民への通達や啓蒙活動が十分でなかった事を如実に表している▼緑の袋は再生資源ごみ用で、生ごみなどを捨てるのにこの袋を使えば罰金と市は決めた。だが、少なくとも自宅周辺では、非再生資源ごみ回収日に見かけるのは、非再生資源ごみ用の灰色の袋よりも緑の袋の方が多い。環境保護のために採用されたレジ袋削減や素材変更への工夫の意図が、一般庶民には十分理解されていない事は明らかだ▼緑の袋で生ごみなどを捨てたら罰金と知っている人がどの位いるか調べてはいないが、知っていても違反行為を通報する気はないだろう。最初は袋代も徴収していた店が市長の働きかけで二つまでは無料とした事で、問題は解決したと感じている庶民さえいるのだから▼だが、これでは元の木阿弥だ。分解しやすい材質を使っているとはいえ、無料で袋がもらえるならマイバッグ不要と考えるのか、ごみ出し用の袋が必要だからと考えるのか、緑や灰色のレジ袋のみをぶら下げて歩く人は依然として多い。環境面への配慮が進んだのか否か、判断に苦しんでいるのはコラム子のみか▼悪い事に、啓蒙活動や事前の話し合い不足と感じる事や本当に実行されるのかと案ずる例は多い。電化製品や蛍光灯の回収、ゴミ捨て場撤廃も徹底されたとは言い難い。レジ袋撤廃騒ぎで揺れた袋業界の懸念軽減のために取り入れられた新レジ袋のその後に、「なあなあ主義」はここにもと変な感心をして2カ月が過ぎた。(み)