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ルーラは何を恐れているのか

 22日付エスタード紙社説欄に、「ルーラは何をそんなに恐れているのか」というタイトルの文が載った。下院ペトロブラス議会調査委員会が11日にルーラ研究所の岡本パウロ所長召喚を決めた後の労働者党(PT)党大会で、ルーラ前大統領が苛立ちを露にした事などに触れ、「疚しいところがない者は何も恐れる必要はない」と切り出している▼先週の当欄で触れた通り、党大会でのルーラ氏は普段使わない原稿を読み上げ、議調委メンバーのPT議員に雷を落とした上、民主運動党党首のミシェル・テメル副大統領にも電話をかけて苦言を呈した。岡本氏召喚はカマルゴ・コレア社の献金故だったが、19日に連警がオデブレヒト、アンドラーデ・グチエレス両社の社長らを逮捕した後の20日付エスタード紙は、「大統領府とPTが包囲網が狭まってきたのを実感」との見出しで、PTはルーラ氏がラヴァ・ジャット作戦(LJ)の標的になったと見ていると記した▼ルーラ氏はメンサロン事件の時も関与が疑われ、「ひげの下で起きている事を知らぬはずはない」とも言われたが、大統領故に火の粉を被る事を免れた。だが、現在のルーラ氏は一市民に過ぎず、当時のような楯はない▼メンサロンとLJで起訴されたジョゼ・ジルセウ元官房長官は、6日に「私やルーラ、ジウマは同じ穴の狢」と発言した。岡本氏同様、ルーラやPTのためなら何でもするといわれたジルセウ氏がこういう表現をした背景には、ルーラ氏やPTがメンサロンやLJの被告に誠意を尽くしていないとの不満があるようだ。国を挙げた汚職に手を染めてもなお「誠意」と言える事に驚くのはコラム子だけか。(み)

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