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沖縄の「伝える力」

 本紙は日本の地方各紙と提携しており、つかず離れずの協力関係がある。そのなかで「沖縄タイムス」との関係がひときわ強いと言っていい。同紙は週に一度『ワールド通信員ネット』というコーナーを設けており、世界で活躍する県人、県系人のニュースを載せている。ブラジルの沖縄系コロニアについては、小紙が伝えていることもあり、提携紙のなかでは唯一、新聞を郵送してくれている。ありがたいことだ▼6月は沖縄戦が終了した月。終戦70年の節目ということもあり、戦争の記憶を伝えようとする迫力がサイトで見るのとは違って伝わってくる。当時の県民4分の1にあたる20万余が亡くなった悲惨な歴史を、体験者70人が紙面で語る企画も。沖縄は基地問題で大きく揺れている。過去の問題ではない▼沖縄移民研究塾(宮城あきら代表)が同人誌『群星』を自費創刊した(本紙7面2日付け詳報)。「一つの県の県人だけで研究会を立ち上げ、同人誌を自費で出版する取組みは極めて珍しい」(同記事)。辛酸を舐めた戦前移民の歴史を知る人はもう少ない。こうした状況のなかで同県人会は本を数冊編んできた。そのうえで「さらに生の証言を集め、移住史を掘り下げる使命」を原動力に13年に立ち上がった同塾は今後、1年に一度のペースで同誌を発刊していくという▼歴史を伝えるのは大変な作業だ。そういう時代ではないという声もある。だが、移住世代のこのパワーは他県人にはないものだ。その源泉を知るには大国に翻弄され続けた沖縄の歴史を紐解かねばならないだろう。47都道府県人会のなかで最後に残るのは沖縄だと確信する。(剛)

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