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福岡大の井上教授が来伯=17年生理学大会に向け

(左から)井上隆司、渡部一誠さん

 4年に一度行われる「国際生理学会世界大会(IUPS)」が2017年にリオデジャネイロで開催されるにあたり、福岡大学教授の井上隆司氏が準備会議のため来伯し、3日に渡部一誠サンパウロ総合大学バイオメディカ研究所教授とともに来社した。
 井上教授の専門は分子病態生理学と呼ばれるもの。コンピューター上で心臓などの器官を再現する研究を進めている。これによって、例えば不整脈の症状に対してある薬を処方した場合、人体がどう反応するかを生身の人体実験をすることなく、シミュレーショによって予測可能だという。
 井上教授は「この技術は、生物以外の分野ではすでに使われています。例えば飛行機などは、実際に飛ばす前に流体力学を使ってシミュレーションするわけです。しかし生物の場合は器官があまりに複雑であるため、従来のコンピューターではシミュレーションが不可能でした。それが近年スーパーコンピューターのパワーも上がって、相当複雑な計算も可能になり、バーチャルな心臓を使って実験・予測できるようになろうとしています」と、新たな医療の可能性を強調した。
 同大会は、前々回は京都、前回はイギリス・バーミンガムで開催された。

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