ホーム | 日系社会ニュース | 技能五輪国際大会=未来を背負う職人集う=日本勢は40種目45人=アニェンビーで明日まで
ロボットコンクールの様子(Jose Paulo Lacerda/CNI)
ロボットコンクールの様子(Jose Paulo Lacerda/CNI)

技能五輪国際大会=未来を背負う職人集う=日本勢は40種目45人=アニェンビーで明日まで

 『第43回技能五輪国際大会』(ワールドスキルズインターナショナル主催)がサンパウロ市のアニェンビー国際展示場(Av. Olavo Fontoura,1209)で12~明日16日まで開催されている。世界57カ国より1230人が50種目の競技に参加しており、そのうち日本は40種目45人が参加。2年置きに世界の各都市で開催されているが、中南米開催は今回が初。出場選手は22歳以下(一部例外)で未来を担う職人たちが世界一の座を争っている。

 40万平米の巨大な会場のあちこちで建築や自動車工、洋裁、レストランサービス等、ありとあらゆる競技が行われている。透明の仕切りはあるものの、飛び散る火花や華麗な包丁捌きを間近で見ることができる。
 日本選手団のほとんどが予選を兼ねる昨年末の「技能五輪全国大会」の優勝者で、各地から集った精鋭たちだ。日本は依然として工業部門に強く、特に「情報ネットワーク施工」部門は大会5連覇しており、今回も優勝に期待が掛かっている。
 「溶接」部門の「豊田自動織機」所属の小山巧さん(22、愛知)は現場勤務経験が無く入社以来、職種選手として4年間ひたすら鍛練を積んできた。昨年の日本大会を制し、世界大会に向け、半年間集中して研究を重ねたという。
 大会2日目の13日に手ごたえを聞くと「日本大会と勝手が違う部分もあるが、大方の実力を出せている。後半も自分のペースを守りつつ、リラックスして臨みたい」と冷静に語った。
 また休憩中には「外国の選手と交流できる貴重な機会」と各国の選手に積極的に話しかけ、大会を楽しんでいる様子だった。
 造園部門(ペア競技)に出場している「近江庭園」所属の石見康文さん(20、奈良)と神藤司さん(同、奈良)さんは高校時代からコンビを組み、学生日本一になった経験を持つ。
 「初日に少し遅れが出たが、何とか取り戻せそう。会社から応援に駆けつけてくれた人のためにもメダルを目指す」と闘志を燃やした。
 また、日本選手団を取りまとめる中央職業能力開発協会は大会前、総領事館や文協、商議所の訪問を行い、応援の要請を行なった。
 同協会事業管理課管理係・長澤大輔主任は「日本は32回目の参加を数えるが、日系社会に協力を求めたのは今回が初めて。出身地や所属企業にゆかりのある方は是非応援に来てほしい」と話していた。
 大会は入場無料。16日はメダルの授与等が行なわれる閉会式がイビラプエラ体育館で行なわれる(有料)。

image_print