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国際交流基金=日語専門家 柴原さんが退任=後任の福島さんに期待

柴原さん、福島さん

柴原さん、福島さん

 国際交流基金日本語上級専門家の柴原智代さん(51、長野)が約2年間の任期を終えて帰国するにあたり、福島青史さん(47、鳥取)が12日、後任に着任した。
 柴原さんは南米諸国で日語教育のアドバイザーとして教師向けの研修を行い、日語教育の質的向上に貢献してきた。自身も開発に加わった学習教材「まるごと―日本の言葉と文化」は、語学だけでなく日本文化も理解できる仕組みとなっている。
 柴原さんは「この教材は日系日語学校を始め、ブラジリア大学やリオ州立大学などでも使われている。実際に訪日した学習者もおり、成果は上々」と成果を喜び、「問題は成人に比べて、年少者の語学教育理論が確立されていないこと」と当地の課題を指摘した。
 福島さんはJICA海外開発青年としてメキシコに3年、同基金の日語専門家としてウズベキスタンやロシアなどで計約20年の海外経験を積んだ。特に、日語を学ぶ必要性が低いイギリスの公立小学校では、教材やカリキュラムを試行錯誤した体験が「日本文化を学ぶ過程で日本語に触れさせると、最も自然に吸収する」という子どもの第二言語学習の理解に役立ったという。
 新しい任務に意気込む福島さんに、柴原さんは「現在抱える課題にぴったりの人が来てくれた」と期待を寄せた。

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