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浪花節を知るいい機会に

 コロニアで隆盛を誇る芸能はなんといってもカラオケだろう。日本語が話せなくとも、こぶしを聞かせた女の子の堂々とした演歌に驚く。見た目以外はブラジル人だと思っていたら、車で聞く音楽は歌謡曲だったりする。家庭の環境など様々な理由があるのだろうが、やはりDNA感覚で、日本語のリズム感に心地よさを感じるのかもしれない。一方、その源流で古来からの七五調の流れを汲みながら衰退の一途を辿ったのが浪曲だろう▼戦前から、移住地では地元浪曲師が活躍し、大会が多く開かれた。戦後は日本から名人が多く訪れ、ファンを喜ばせたようだ。あちこちで協会が生まれ、1983年には浪曲連盟も結成されたほど。現在も細々と会は開かれているようだが、「見る人も演者もいなくなって寂しいばかり」と関係者の嘆きも聞く▼今日10日、ニッケイ新聞は、『春野恵子 浪曲ツアーinブラジル』を午後2時から、広島文化センター(Rua Tamandare, 800, Liberdade)で行う。ポ語字幕付きで、入場は無料だ。日本人学校でも公演を行い、好評を博した(今日付け7面)。ワークショップで「待ってました!」の掛け声のタイミングや発声方法、歌う部分を「節」といい、語り部分を「啖呵」ということも始めて知った。日本語を知る意味でも面白いし、何らかの芸能に携わっている人は興味深いと思う▼往時を懐かしみ、また演歌の原型を知る意味でも広い世代に聞いてほしい。日本から浪曲師がブラジルに来ることは最後かも知れない。お子さん、お孫さんと共に足を運び、コロニアにあった「浪花節」の世界に触れてほしい。(剛)

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