秋篠宮両殿下=移民一世紀をともに祝う=北パラナ各地を御訪問=「多方面での活躍喜ばしい」=ローランジャ移民センターを御訪問

 【既報関連】御来伯中の秋篠宮紀子様両殿下は、31日午前からロンドリーナを中心としたパラナ州北部を御訪問。同州はサンパウロ州に次ぐ約15万人の日系人が住む。今年は最初の移住地カンバラへの入植から100周年を迎え、いくつもの記念行事が開催されており、両殿下の訪問は何よりのお祝いとなった。

太鼓隊の少年に声を掛けられた

太鼓隊の少年に声を掛けられた

 外交120周年記念式典が行われたローランジャ日本移民センターでは、着物を身に纏った約20人の若者に出迎えを受けられた。
 秋篠宮さまは移民像や前回訪問時に植樹された椰子の樹をご覧になり、「こんなに大きくなりましたか」と、10メートル以上になった大樹を見上げられていた。
 記念碑を除幕された後、新たに桜の樹を植樹され、移民史料館を見学。途中、予定には無かった移民小屋の見学をされるなど、終始興味が尽きない御様子だった。
 600人以上が参加した歓迎式典では、地元白鳩コーラス隊と州各地から集まった日語校生徒約100人が元気に歓迎の歌を贈った。
 秋篠宮さまは「パラナ州の日系人の歴史は100年を越え、多様な方面で活躍していることは誠に喜ばしい」と労いの言葉を述べられた。
 パラナ日伯文化連合会(リーガ・アリアンサ)・折笠リカルド力己知会長は「今回の御訪問を通し、少しでもブラジルを好きになっていただきたい」と挨拶。
 長年センターを管理し、当日は案内人を務めた今津貞利さん(83、福岡)は大役を振り返り、「何でもよくお尋ねになりました。苦労が報われます」と感動した面持ちで話した。

ロンドリーナ文協にも

 ロンドリーナでは同文化体育協会を御訪問。集まった300人に対し、生憎の雨も傘を差し、ゆっくりと手を振って御入場された。
 記念碑を除幕された後、絵画の献上品が手渡された。地元の「一心太鼓」の演奏は揃って笑顔でお聞きになり、「素晴らしい。力はかなり使いますか」と声を掛けられていた。
 他にも、中川トミ公園で記念碑の除幕にご参加、リーガ・アリアンサで代表者との懇談の場を持たれた。また同日マリンガへ移動、午後6時頃から各式典に参加された。(4日付け本面掲載)

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 ロンドリーナ文協の式典で送られた絵画を制作したのは、画家の久保カルロスさん(66、二世)。南部に生息する鳥「アオサンジャク」とさくらの花が描かれている。実はこの作品、もう1枚対になるものが制作され、ロンドリーナ文協に展示されることになっている。描かれているのは、鶴とイッペーの花。両殿下に制作の思いを訪ねられた久保さんは「見ていただく度に、日伯が繋がっていることを思い出していただくために描きました」と答えたという。