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13日のデモ低調の原因はクーニャとPMDBか

ラヴァ・ジャット作戦の指揮官セルジオ・モーロ判事を〃英雄視〃しすぎる点も、今後の不安点か

ラヴァ・ジャット作戦の指揮官セルジオ・モーロ判事を〃英雄視〃しすぎる点も、今後の不安点か

 13日のデモが低調だった主因は、クーニャ下院議長が〃復讐〃で大統領罷免を始めたという「筋の悪さ」のようだ。その証拠といってはなんだが、スイス銀行の口座隠蔽やペトロブラス汚職などの疑惑が大々的に報じられる割に、デモ当日のパウリスタ大通りでは彼への批判が少な過ぎる印象だった▼デモが低調なおかげで、王政復古派やカトリック超保守派、軍クーデター支持者ら〃超右派〃勢力が妙に際立ち、さらに一般参加者を遠ざける悪循環に陥っている▼有権者から強権を付託されたはずの大統領の交渉下手が響いて、猛者が跋扈する政界をまとめきれない泥沼状態に、国民があきれ果てている。選挙で選んだ大統領で国家運営がうまくいかない現実が「民主主義への幻滅」につながり、カリスマ好きな南米人には王政や軍政の方が「まだマシか」という幻想につながっているのか▼クーニャの罷免審議受理を称賛し、彼の罪状を大目に見られる人だけデモに参加し、彼への批判が強い人は参加しなかった。逆にいえば彼自身の罷免が決まればデモ参加者は増えるだろう▼加えて、大統領罷免で一番得をするのはテメル副大統領であり、いまの成り行きは彼の筋書きとの説も。いまデモに参加してもテメルの〃思う壺〃で「結果的にPMDBが政権の座に着くことに協力する」状況に、多くの国民は嫌気が差している。デモ低調を受け、大統領罷免を進めるための今後の鍵は「政界内の強引な駆け引き」のみ。〃権謀術数〃がまだまだ展開される▼一方、レヴィ財相は辞職を賭けて基本収支黒字確保を主張。もし大統領や下院議長より先に、財相が「職を辞する」ならお先真っ暗だ。(深)

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