ジャパンハウス=パ大通り52番に開設決定!=18年度までに予算25億円?=事務局長に平田アンジェラ=コロニア連携は未知数…

 外務省がサンパウロ市に設置する日本広報文化施設「ジャパン・ハウス(仮称)」(以下、JH)に関して、中前隆博在聖総領事が18日午前に会見し、当地JHの開設地がパウリスタ大通り52番となったこと、事務局長に平田アンジェラさんが就任したことなどを発表した。17年3月までの開所に向け、20日には第2回運営委員会も控える中、具体的な内容や日系社会との連携については明言を避けた。

 

事務局長に就任する平田さん。HAVAIANASのサンダルを手に

事務局長に就任する平田さん。HAVAIANASのサンダルを手に

 JHは「正しい日本を発信し親日家を育む」という目的の下、サンパウロ市ほか英ロンドン、米ロサンゼルスに設置される。当地JHの事業主である日本の最大手広告代理店「電通」とは、先月16日に契約を締結。昨日18日に日本政府官報と外務省サイトで公表した。事業主は昨年中に2度の競争入札が行なわれ9月に決定していた。
 開設地はパウリスタ大通り52番の5階建てビルに決まった。同ビルを賃借し仕様書に沿ってカフェ、飲食店、アンテナショップ、展示会場、多目的室などが整備される。20日には施設内容の具体案を集約するため、同ビル内で第2回運営委員会が行なわれる。来月にはプレイベントも企画中だという。
 契約者である電通によれば、事業体の主要構成員は以下となる予定。全体統括=電通、設計・建設=ブラジル戸田建設、設計デザイン監修=隈研吾建築年設計事務所、不動産管理経営者=BSP、対外発信=電通ラテンアメリカ・プロパガンダ、事務局運営=スリアナ。
 BSP社はブラデスコ系列の不動産会社で、スリアナ社は平田アンジェラ多美子さんが代表取締役を務める企業。ブラジル産商品のPR戦略や、進出企業サポートを手がけている。本紙では13年3月、HAVAIANASブームの火付け人として紹介した。
 彼女が事務局長に就任し、企画局長には10年の上海万博でブラジル館を手がけたマルセロ・ダンタスさん、PR局長には国際的ジャーナリストで出版社「Totum Excelencia Editorial」を創業したネリー・カイシェッタさんが就く。館長は現在も調整中。また日本側のJH総合プロデューサーはデザイナーの原研哉さんが務める。
 3館合わせた予算として2015年度は36億円、16年度は42億円が充てられた。サンパウロ市のみの予算として、外務省は18年度までに25億円を要求しているという。
 中前総領事はJHのイメージについて「一歩入れば、そこは日本」と語る。日系社会との連携に関しては「これまで通りコロニアへ説明を続けていく」としながら、文協などとの具体的な協力関係への明言は避けた。「あらゆる可能性を排除したくない」と強調し、「(日本の)地方を発信するのはJHのテーマの一つ」と一例を上げ、県人会との連携は示唆している。

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 広報施設ジャパンハウスの設計デザインを担当する隈研吾さんは、新国立競技場の新たな整備計画案に採用された建築家として、一躍日本で有名になった。先月末に同氏は現地視察のため来伯しており、中前隆博在聖総領事とも面会したとか。「『素晴らしい建物にしたい』と意欲的な様子だった」という。現在は採用された計画案が盗作との疑惑を持たれ、会見で否定するなど目下話題の人物だ。彼が話題を振りまけば、ジャパンハウスにも関心が及ぶかも?