来週からカーニバル本番=日本の若手が今年も挑戦=サンバに情熱を燃やす

 いよいよ来週からカーニバル本番開始! サンバに魅せられたダンサー、小口未来さん(34、神奈川)と佐藤麻理子さん(39、千葉)が来伯し、それぞれサンパウロ市とリオのカーニバル出場に向けて熱を込めて練習に励んでいる。二人にサンバとの出会いと、カーニバルにかける思いを聞いた。

佐藤麻理子さん(提供写真=Kataoka)

佐藤麻理子さん(提供写真=Kataoka)

 浅草サンバカーニバルで優勝経験を持つエスコーラ(サンバグループの総称)「GRESサウーヂ」(神奈川)で、小口さんはハイーニャ・ダ・バテリア(打楽器隊の女王)役を務めた。
 昨年に続き、サンパウロ市の有力エスコーラ「アギア・デ・オウロ」(以下「アギア」)に参加する。昨年はアギアが「日伯外交120周年」をテーマにしていたため、アギアの招待で来伯。今年は「また出たい」とアギアに連絡、昨年の実績が認められ参加を許された。
 一方、「生演奏の音を直接浴びて踊る快感は他に無い」という佐藤さんは、浅草で最多優勝を誇る「GRES仲見世バルバロス」(東京)でプリンセーザ役を務めた。初参加の佐藤さんは、リオの2部エスコーラ「サンタクルース」でパレード先頭の山車(アブリアーラス)に乗って踊る。
 二人とも日本では、ダンス講師、ショーダンサー、ダンサー派遣、サンバ衣装の制作・輸入販売などを手がけ、浅草界隈では知られた存在だ。
 〃本場〃の魅力を尋ねると、口を揃えて「日本との一番の違いはサンバ人口が圧倒的に多いこと。演奏者もダンサーも数が多く、層が厚く切磋琢磨している。日本では練習の回数も月に1回、東京近郊のエスコーラをはしごしても週一回。ブラジルでは一つのエスコーラが週に何回も。クアドラ(練習場)の大きさも桁違い」とダイナミックさを強調した。
 小口さんは日系社会についても、「去年はアギアのテーマが日伯外交120周年で、こちらの方々にお世話になり、とても良い印象があります。困っていたら助けてくれるという安心感があり、今の日本人が忘れた助け合いの心を持っている」と語った。
 二人は日本での仕事を2カ月以上休み、本場で情熱を燃やす。パレード本番は、スペシャルグループ昇格を狙うリオのサンタクルースの佐藤さんは2月6日零時15分(予定)からサンボードロモで、サンパウロ市スペシャルグループの優勝を狙うアギアの小口さんは6日午前1時35分(予定)から。アギアはグローボTV局で生放送される。

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 リオ市セントロに滞在中の佐藤さんは、今まで強盗に襲われたことがない。強盗を避けるコツは「人通りのないところを歩かない」「勘を働かせて、危なそうな雰囲気の人には近づかない」だそう。佐藤さんがサンパウロ市の友達に確認すると、似たような感覚を持っていたとか。二人とも「ブラジルに住みたい」と考えており、小口さんは日系社会にPR中。ブラジルに移住したい若い日本人を受け入れる取り組みが、コロニアの側にあっていいかも。日系社会には助け合いの精神が根付いている。もしくは神奈川県人会、千葉県人会が動く?