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ますます狭まるルーラ包囲網

 パラナ連邦地裁のセルジオ・モロ判事が9日、ルーラ前大統領が足繁く通っていたアチバイアの別荘の改築工事の件を別件捜査する事を認めた▼ペトロブラス関連の汚職等を扱う連警のラヴァ・ジャット作戦(LJ)で告発されたOAS社が、グアルジャーの3層住宅とアチバイアの別荘の改築に関わっていた事が判明後、別荘改築には他の疑惑企業やLJの被告も関与していた事が明らかになったため、別件扱いで捜査する事が認められた。別荘はルーラ氏の長男が関与する二つの企業の共同経営者らの名義だが、真の持ち主が誰かも疑惑の的だ▼アチバイアの別荘の家具や電化製品類はOASの負担で購入されており、品物や改築という形でルーラ氏への賄賂が払われた可能性は大だ。労働者党(PT)は「ルーラ氏はリンチに遭っている」と言って同氏擁護に乗り出した。メンサロン事件では「ルーラ氏がOKを出した」「自分の髭の下で起きている事を知らないはずはない」などと言われたのに、大統領であるが故に無傷で済んだ同氏も、今は一介の人だ▼グアルジャーの住宅の件ではサンパウロ州検察局が夫妻を事情聴取に召喚、アチバイアの別荘は連邦検察庁と連警の管轄となる。3男が賄賂を受け取ったとされる自動車関係の暫定令延長の件での事情聴取は、初回のような参考人扱いではなく、容疑者扱いとなるなど、捜査のあり方も変化している▼「汚職は反吐が出るほど汚い」と批判した本人が、「ジウマ大統領や法相が連警を自由にさせている」と文句を言い始めたのは疚しいところがある証拠か。そう勘ぐっても天邪鬼とは言えないほど、厳しい状況にあると考えるのはコラム子だけか。(み)

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