ホーム | コラム | オーリャ! | 大揺れブラジル政治

大揺れブラジル政治

 歴史に残る「16・3・13デモ」から10日余り、その後の展開の速さに翻訳班はついていくのが精一杯の日々が続いている。
 〃奥の手〃ルーラ氏入閣から、それを阻止すべくモーロ判事による盗聴記録公開、アンチとシンパが交互に行うデモに、最高裁判事によるルーラ氏官房長官就任への〃待った〃とめまぐるしい。「締め切り直前に大きな動きは起こってくれるな」と気をもんでいる。
 アンチとシンパのデモ参加者数で、どっちが多かったかと盛り上がるだけでは、サッカーの勝敗に一喜一憂するファンと変わらない。生活レベルに目を転じれば、医療、治安、不況にインフレと政治家の権力闘争とはかけ離れたところで市民は苦しんでおり、その対策は放置されたままだ。
 どうしたら政治家の汚職を監視できるのか。たとえ大統領罷免が実行されても、この課題もずっとそのままだ。(規)

image_print