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疑わしきは入れ替える?

 17日に就任したばかりのエウジェニオ・アラゴン法務相が18日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関して「(連警内で)情報漏洩の匂いがする。証拠は不要。部署全員を入れ替える。連警は我々の監督下にある」と語り、物議を醸した▼前任のジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ現総弁護庁長官がルーラ前大統領から「連警をコントロール出来ていない」と批判され続け、連警の捜査が前大統領に及ぶ(3月4日のLJ第24弾)直前に辞任した事は周知の事実だ。カルドーゾ氏は常に「連警や検察庁は独立機関。人道上の問題などがない限り、法務省も口出しできない」としていた。だが、アラゴン氏は「匂いがする」だけで充分で、「自分達ではないと言うなら、誰が漏洩したかを示す明確な証拠を持ってこさせる」とのたもうた▼新法務相はLJの捜査に口を挟むつもりはないと言うが、検察庁副長官を務め、法務相に任ぜられた人物が「連警を入れ替えるのには証拠は要らないが、無実というなら証拠を示せ」という常識はずれな発言をした事は、連警警部らを嘆かせ、諸機関からの反発を招いた▼同相は21日に「連警総監には全幅の信頼を置いており、首挿げ替えの話もない」との文書を出したが、16日に公開された前大統領に関する盗聴記録で、前大統領から「男の仕事をする」事を望まれた人物の就任第1声がこんな内容では、先が思いやられる▼ジルマル・メンデス最高裁判事からも官房長官就任差し止めの暫定令が出たルーラ氏は既に、ジウマ氏の罷免回避のために「影の官房長官」として政界調整をし始めた。折角のLJや国民の抗議行動が骨抜きにされないだろうか…。 (み)

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