ホーム | 日系社会ニュース | サンパウロ州知事立会い120着寄贈=「リオ五輪でメダルを期待」=三井住友海上が柔道着を
道着を受け取った(右から)メダリストのサンパイオ、石井両氏ら
道着を受け取った(右から)メダリストのサンパイオ、石井両氏ら

サンパウロ州知事立会い120着寄贈=「リオ五輪でメダルを期待」=三井住友海上が柔道着を

子どもたちと記念撮影に納まるアウキミン知事(中央)

子どもたちと記念撮影に納まるアウキミン知事(中央)

 大手保険会社の三井住友海上火災保険(本社=東京、柄澤康喜社長)が、当地柔道界に120着の柔道着を寄贈した。その贈呈式が19日午前、柔道サンパウロ杯2016開幕に合わせ、サンパウロ市イビラプエラ体育館で行なわれ、柔道連盟関係者、当地柔道界初のメダリスト石井千秋さんほか、ジェラルド・アウキミンサンパウロ州知事も訪れた。

 昨年ブラジル進出50周年を迎えた三井住友海上の記念式典に来伯した柄澤社長に対し、梅田邦夫駐伯大使が依頼したことがきっかけ。100着の寄贈を直談判したところ、同年が外交樹立120周年にあたることから120着を快諾した。
 同社はスポーツ振興に力を入れており、ブラジルとも縁が深い。過去には女子柔道部の柳澤久監督(八段)も来伯。2013年には同社所属で、ロンドン五輪銅メダリストの上野順恵さんが各地で指導を行なった。8月のリオ五輪でも、52キロ級の中村美里選手が金メダル筆頭候補に上がっている。
 今回の寄贈は、日本政府のスポーツ振興事業「スポーツ・フォー・トゥモロー」の一環でもある。サンパウロ州へは60着、パラナ、ブラジリアの柔道団体へは各30着が配付される予定。
 選手ら千人以上が見守る中、中前隆博在聖総領事やブラジル三井住友海上の原敬一社長、後任の井上秀司氏らが、メダリストの石井さんやロジェリオ・サンパイオさんに柔道着を手渡した。
 3月に帰任となった原社長は「ブラジル柔道の振興に貢献ができ大変光栄。柔道を通して、日伯が益々強い絆で結ばれていくことを願う」とあいさつ。中前総領事は「サンパウロ州柔道連盟の日頃の活動に感謝の意を示したい。東京五輪に向け、柔道を通じ日伯両国が更なる絆を強化できると確信している」と話した。
 当日はアウキミン州知事も駆けつけた。「自尊心、思いやり、礼儀など多くの哲学を学べる柔道。若い柔道家の存在は大きな誇り。リオ五輪でもメダリストが生まれることを期待する」とエール。式典を終え、大会冒頭の試合も観戦した。


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 120着もの柔道着を寄贈した三井住友海上。同社とブラジル柔道界との関係は意外と深いようだ。ロンドン五輪前には同社自前の柔道場を拠点に、女子ブラジル代表が日本遠征を行なっている。三井住友海上の柳澤久女子柔道部監督と、ネイ・ウィルソン伯代表監督(当時)と親交がある関係で実現したとか。その甲斐もあって本番では、サラ・メネゼスやマイラ・アギアル両選手がメダルを獲得。2020年東京五輪でもブラジル人選手の大きな後押しになってくれそうだ。

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