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10年前に行なわれた80周年式典の様子
10年前に行なわれた80周年式典の様子

90周年迎える第2アリアンサ=鳥取村の記念式典7月23日=慶祝団が来伯、鳥居も建立へ

 ミランドポリスの第2アリアンサ移住地(鳥取村=矢尾板暉埜会長、てるの)が今年、創設90周年を迎える。5年ごとに記念式典を実施しているアリアンサ移住地。創設時から関わりを続ける鳥取県からも慶祝団が来伯し、7月23日午前9時から記念式典が開かれる予定。

 式典当日、サンパウロ市からはアリアンサ郷友会、鳥取県人会などの慶祝訪問団が訪れる。開拓先没者慰霊法要、記念式典、敬老会、祝賀昼食会、日本語学校と県人会による出し物が披露される。
 会場となる会館前には、元会長の佐藤勲さんが古い家屋を史料館に改造し、開拓当時の写真を展示する予定。入り口には鳥居も建設中で「式典当日にテープカットをしてもらいたい」と話す。
 佐藤さんは、村の人口減少と高齢化に言及し、「今回の式典が最後という話も聞くが、これで終わりにすることなく、今後も続けていきたい」と語った。なお現在、記念事業として会館の改修工事が進行中、壁の塗り替えや天井の修繕が行なわれている。
 前回80周年式典には500人以上が参加。今回も母県より県庁、議会から約10人の慶祝団が同地を訪れる予定。県人会と郷友会の慶祝団は、バス2台、80人程度になり、全参加者は約600人となる見通しだ。
 矢尾板会長は「生まれてから74年間、今までずっとここに住んでいる。90周年を迎えられるのは本当に嬉しいこと」と喜びを語った。
 第2アリアンサは1926年8月7日、鳥取および信濃両海外協会が5250アルケールの土地を購入して創設。鳥取県から大岩村(現岩美町)村長だった故・橋浦昌雄氏が初代理事として移住した。縁の深い鳥取県では、会館建設の支援だけでなく、94年からは日本語教師の派遣を行なうなど、密接な関係を維持している。
 最盛期だった1934年には約900人(170家族)が暮らした第2アリアンサだが、現在の日系家族は約30。うち鳥取出身者は3家族のみとなっている。
 アリアンサは三つに分かれており、一昨年は第1アリアンサ(長野村)が90周年式典を行なった。第3アリアンサ(富山村)は来年、同式典を行う予定。


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 第2アリアンサ移住地へは1927年5月に第1回の入植者が到着。彼らを乗せてサンパウロ市から移住地へ向かう列車が、ソロカバ駅近くで上り列車と正面衝突する大事故が起こる。以降も物資の不足、コーヒーが大霜に見舞われて全滅、伝染病など、開拓期の困難を乗り越えていった。そんな伝統あるアリアンサ移住地の歴史を体感したい方は、サンパウロ市からの慶祝バスに同乗してみれば?

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