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15年の歳月から漂う味わい=歌文集『赤いレトロな焙煎機』

本の表紙

本の表紙

 珈琲鑑定士という職業がまだ浸透していない時代、手探りで当地を渡り歩き、珈琲と共に歩んできた歳月を振り返った、玉川裕子さんの著書『赤いレトロな焙煎機 遥かなる南米大陸をめざして』(春風社、164頁、1620円)が4月15日、日本で出版された。
 同書は短歌と散文を結びつけた歌文集。日常生活の中で、珈琲を味わうことの豊かさが随所に滲みでている。
 玉川さんは珈琲商社勤務がきっかけで渡伯し、鑑定士授業や工場研修、農園等を見てまわった。地元ラジオ局では、珈琲にまつわる短歌、エッセイの朗読などのトーク番組「カフェタイム」にも携わった。
 詩人の岡井隆さんは跋文の中で、「私性を超越してしかも魅力に富んでいる」と評価。玉川さんは「ブラジルへ赤い実の夢を追った、言わば15年間の総括です」と、著書に込めた思いを綴った。
 購入は各日系書店へ問い合わせを。

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