ジャパンハウス=サンパウロ向け独自企画も=日系団体との連携が課題

 日本国外を拠点にした広報文化施設「ジャパンハウス(仮称)」(以下JH)の第2回日系団体説明会が24日午後、サンパウロ市内の総領事館内で行われた。文協の呉屋春美会長、援協の菊地義治会長ほか日系団体各代表者ら30人近くが参席し、中前隆博総領事や平田アンジェラ事務局長から進捗状況の説明及び意見交換が行われた。
 JHの基本的なコンセプトが説明されたが、肝心の日系団体との協働の可能性については、まだ不透明だ。平田事務局長は「どの団体がどういうコンテンツ(芸能や特別技能)を持っているか。それぞれ協働の可能性を探り、協力して一つのものを作り上げていきたい」と語り、「きちんと結果を示していかなければいけない。企画をどう実現させるかが最大任務だ」と語った。
 今回は、ブラジル社会に受入れられるよう独自企画されたという案も一部公開された。例えば、バナナの皮の繊維を使った芭蕉布やカシューナッツの樹液から漆を作るなど、当地のものを材料として、日伯技術交流を促進しようとの案だ。
 来年3月のオープンに向けて、今後メディアとの連携により、戦略的に盛り上げていくという。来月の第19回日本祭りでは、JH用ブースを設けて建物に装飾されるヒノキや和紙の展示。12月の100日前イベントでは、ブラジルの植物多様性をテーマとして、フラワーアーティストの東信さんの展示をショッピング・イグアテミーで企画している。

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 今まで日系社会では伝統的な日本の姿が取り上げられがちだったが、ジャパンハウスでは、より現代的な側面も積極的に訴え、幅広い「真の日本」を伝える狙いがあるという。驚きと魅力に溢れた「正しい姿」の日本を体験できる場所を作り上げることが目的だとか。「考え方の説明」よりも、そろそろ具体的な中身の方も教えて欲しいとの声が。日本料理教室を毎週やって各県の郷土食まで教えるとか、日本企業の先端テクノロジー展示を月替わりでやるとか、日本から各種職人を呼んで驚異的な実技を披露するとか、具体的な内容も教えて欲しいところ。