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非日系による短歌集が刊行=『水平線の小径』、日英ポ語で

短歌集を持つ作者のライムンドさん

短歌集を持つ作者のライムンドさん

 詩人で写真家のライムンド・ガデラさん(62)の新しい短歌集『水平線の小径』が6月、エスクリトゥーラス社から刊行された。日英ポ語で書かれ、歌の内容を表現した絵とともに楽しめる、充実した書籍となっている。
 109首の短歌と画家のセルジオ・ゴメス氏による58の絵を併録した力作。「巡歴」「適合」「通過」の3章から成り、人生に訪れる希望、逡巡、歓喜や郷愁などを歌に詠み込んだ。
 日語訳を担当したブラジル日系文学会の中田みちよ会長は、ガデラさんの著作に対し「読み進めるほどに彼の歌が進化し、より奥深くなっていくのを感じる」と高く評価。
 今回の短歌集が3冊目となる。処女作は90年に出した『水平線という名の海峡』(日ポ語)、2冊目は15年に出した『うつつと水平線のかなた』(日英ポ語)。ライムンドさんは世界40カ国を旅した経験があり、旅先で撮影した写真を両作品に収録した。
 3作ともエスクリトゥーラス社およびブラジルの大手書店にて取扱い中で、いずれも1冊約35レアル。来年初めに出す最新作を合わせて、4冊組での販売も計画している。
 これまで1千作を超える短歌を作ってきたというライムンドさん。「短歌を作れば作るほど感情の深い部分に到達し、より良い人間になることができる」と言い、「人種や国籍に関係なく短歌に親しんでほしい」と呼びかけた。
 書籍に関する問い合わせはエスクリトゥーラス社(11・5904・4499)、ブラジル日系文学会(11・3203・2018)まで。

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