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グァタパラ移住地=54回目の法要、60人先人偲ぶ=見て良し食べて良しの入植祭に

慰霊法要で献花する参列者

慰霊法要で献花する参列者

 グァタパラ農事文化体育協会(茂木常男会長)は16、17の両日、同地の中央会館で『移住地入植54周年祭』と『収穫祭』を開催し、会員や地域住民ら多くの来場者で賑わった。
 初日午前10時には、モンブカ墓地の「拓魂碑」前でカトリック式の先没者慰霊法要が開かれた。約60人の参列者が献花、焼香を行い先人を弔った。
 市の鼓笛隊が開幕を告げ、記念式典に移った。来賓には中前隆博在聖総領事、JICAの那須隆一所長、サミール・レドンド市長、南米産業開発青年隊の渡辺進会長らが訪れ、入植54周年を祝福した。
 ステージでは日本舞踊、カラオケやダンスなどの演目が会場を沸かせた。毎年人気の特産物展では、グァタパラの農産物を使った五輪マークが展示され、多くの来場者が記念写真を撮っていた。

1200個もの卵で作られた五輪マーク

1200個もの卵で作られた五輪マーク

 5色はそれぞれレモン、ジャブチカバ、マラクジャ、トマト、染色したマーガレットで表現された。輪の中には約1200個の卵が置かれ、周りには乾燥トウモロコシが敷き詰められた。
 他にも地元小学生による手芸品、日語校生徒の製菓販売に、書道作文なども展示され、中前総領事が訪れ楽しむ様子が見られた。
 毎年用意される県連バスツアーでは、サンパウロ市から24人が駆けつけた。ブラジリアから訪れた吉田武弘さん(71、佐賀)は「ここのイベントは金儲けのためではなく、グァタパラのためにやっている。日本人らしく思う」と誇らしく語った。
 姉妹で来場した元入植者の久保ユキエさん(69、佐賀)と山本貞子さん(66、同)は「赤土がとても懐かしい。昔を思い出すわね」と顔を見合わせ、「知り合いに会えてよかった。来年の55周年も期待している」と微笑んだ。


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 16、17日に開催された『グァタパラ移住地入植54周年祭』と『収穫祭』では地元の皆さんの祭りへの愛情と誇りを強く感じた。グァタパラ農事文化体育協会の婦人会は、外がまだ真っ暗な早朝に準備を始める。昨年まで22年間婦人会リーダーだった高木みよ子さん(69、山形県)は、「よそから来たブラジル人がここの弁当を食べて、『リベロン・プレットのレストランより美味しい』って言ってくれ、嬉しかった。みんな、ここでいっぱい楽しんで好きになってほしい」と期待をこめた。

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