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ウチナーンチュの絆確かめ=ブラジルから1200人が世界大会に=芸能、スポーツで魂を共有

前夜祭パレードで、街道を練り歩くブラジル県人会関係者。呉屋春美文協会長、援協の与儀昭雄次期会長らも参加した(ウチナープレス提供)

前夜祭パレードで、街道を練り歩くブラジル県人会関係者。呉屋春美文協会長、援協の与儀昭雄次期会長らも参加した(ウチナープレス提供)

 第6回世界のウチナーンチュ大会が先月27~30日の4日間、沖縄県で開催された。沖縄人にとって5年に一度の祭典に、国外から26カ国7246人が参加、ブラジルからは約1200人が大挙して故郷を訪れた。期間中は県内各地で物産展示会、芸能披露、移住史料展、シンポジウム、スポーツ交流が数多く企画され、当地訪問者もそれぞれの分野で活躍した。

 本大会を前に26日、那覇市内で前夜祭パレードが行われた。当地旅行社を通じた参加者も、揃いのシャツを着て行進。母県のサンバチームと共に、国際通りを3時間かけて練り歩いた。
 翌日の開会式には千人による三線一斉演奏に、吉村尊雄三線・胡弓研究会の吉村さんが参加。閉会式でも同様に、6千人でのうまんちゅ三線大演奏会に出演した。
 沖縄古武道神武会ブラジル支部長のフラビオ・ビセンテ・デ・ソウザさんは開幕前の25日、空手の日記念演舞祭に参加した。「約4千人による一斉演武」というギネス記録樹立の一端を担った。
 国外参加者中、最高齢と思われるサントス在住の當山正雄さん(94)は、前大会に続き来訪。「建物などがさらに整備された。変わらずとても綺麗な場所だった」と懐かしんだ。
 最終30日には、日系ブラジル人歌手の国吉メリッサちゃん(13、四世)も登場した。ステージで4曲を披露し会場一杯に歌声を響かせた。またブラジルレキオス芸能同好会は、エイサーEXPOに出演。創作芸団レキオス(名護市)との共演を果たした。
 同日の閉会式では沖縄県人会の島袋栄喜会長ほか、留学研修生OBらによる「うりずん会」の松本カリナ沙登美さんが次世代代表としてあいさつ。ブラジルの県系人が大きく注目される場面となった。
 初参加となった島袋会長は帰国後、「こうして各国ウチナーンチュと歩き同じ歌を歌うことで、ウチナー魂を共有し心が一つになるのを実感した」と意義を説明。また「今年始めは400人ほどの参加を予想していた。だが多くの県人が参加してくれて嬉しい」と喜んだ。

 

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 今回のウチナーンチュ大会には、5年前の前回より1割ほど来訪者が増えた。長期不況にも関わらず、16~26歳を中心とした若年層がブラジル全体の3~4割を占めたという。インテルバン旅行社の中曽根勝社長は、「若者大会の併催が増加理由では」と分析。20~23日には、世界若者ウチナーンチュ大会が開催された。故郷を想う気持ちは、若者にもしっかりと継承されている。

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