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日伯の研究者が人文研に=後進研究員を養成する事業で

1年間それぞれの研究に努めることになったアルフレッドさん(左)と柴田さん

1年間それぞれの研究に努めることになったアルフレッドさん(左)と柴田さん

 サンパウロ人文科学研究所は移民研究者不足の解消や後進育成を目的に、柴田寛之さん(36、埼玉県)=米ニューヨーク市立大学=とアルフレッド・ジョルジ・ヘッセ・ガルシア・ネットさん(28、パラー州)=サンパウロ州立総合大学(USP)=という日伯の大学院生を1年間、「専任研究員」として招聘している。
 柴田さんはブラジル日系社会とデカセギをテーマに10月から活動。2014年の事前調査で2カ月間滞在した以来2度目の来伯だ。そのときに人文研の活動を知り、今事業に応募した。
 在住する米国では、移民やトランスナショナリズムに関する研究が現在盛んだという。「移民は従来、移住地の文化に溶け込むもの。でも日本人は母国とのつながりをいつでも大事にした。世界的には珍しい事例」という関心から、当地日本人移民特有の帰属意識などに焦点を当てる。
 「各地の文協会館、日本語学校などが地域にどんな役割を果たしてきたか探りたい」と語り、「またデカセギ帰国者が日本での経験をどう捉えているか、という調査もしたい」と話した。
 アルフレッドさんは人文研自体の歴史を研究する変り種だ。近所で日系人が経営するレンタルビデオ店で日本映画などを借り、日本文化に興味を持つようになって移民へと関心が広がったという。
 「ベレンでも、研究機関として人文研の存在は認知されている」と話すアルフレッドさんは、「日系社会をブラジルに伝える役割と、移民史をまとめるという2つの側面から、どんな影響を及ぼしてきたかまとめたい」と意欲的に語った。
 なお今事業の送り出しに当たり、人文研日本支部ほかサンヨー牧場、宮坂国人財団、山本勝造財団、高岡マルセロ氏が協力。渡航費や査証手続きなどを支援している。

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