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上田ゆづりさんが特選に=年の瀬に俳句三昧かずま忌で

記念撮影で

記念撮影で

 句会「蜂鳥」の主宰でニッケイ俳壇選者だった故富重かずまさんを偲ぶ『第11回かずま忌俳句大会』が18日、熟連会館で行われ約30人の俳人が参集した。
 かずまさんをはじめ、先立った句友らに黙祷が捧げられた。かずまさん亡き後、主宰を務める妻の久子さんは、「皆さまの惜しみない協力があって、蜂鳥刊行が続いている」と謝意を述べ、「若い人にどんどん活躍して頂き、楽しい俳句の集いを今後も続けていきましょう」と呼びかけた。
 兼題は「夏の雲」「アガパンサ」「蝸牛」「かずま忌」と年末一切。参加者は5句を無記名で投句し、互いに7句を選んだ。参加者たちは「どれも素晴らしい作品ばかりで、選び難い」と頭を悩ませた。
 昼休憩を挟んだ後、入選作が披講され、代表選者の講評が述べられると、長丁場となった俳句三昧の一日を和やかな雰囲気で終了した。
 今回の特選(かずま賞)には、上田ゆづりさんが選ばれた。代表選者選(特選、次点の順)と総合順位は次の通り(敬称略)。
【富重久子選】「花弁の数ほど夢をアガパンサス」(上田ゆづり)「お歳暮の慣し持たず農に生く」(伊那宏)
【浜田一穴選】「でで虫や気取りは要らぬ里訛り」(橋鏡子)「お歳暮の慣し持たず農に生く」(伊那宏)
【伊那宏選】「別院は移民のお寺聖樹の灯」(田幹夫)「公園のアガパンサスに人を待つ」(井上人栄)
【小斎棹子選】「一つとて忘れたくないかずまの忌」(近藤玖仁子)「ふりむかず行先告げず蝸牛」(馬場園かね)
【広田ユキ選】「灯る窓灯らぬ窓に聖夜来る」(小斎棹子)「一年の日日を語りて古暦」(上田ゆづり)
【総合順位】1位=田中美智子(16点) 同率2位=浜田一穴、小斎棹子、鈴木文子(15点)

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