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米国=日系人コレマツ氏に脚光=人種差別の大統領令に抵抗=「何かが間違っていると感じたら、声を上げることを恐れてはいけない」

 【ロサンゼルス共同】米国で第2次大戦中の大統領令により強制収容された後、日系人の名誉回復に尽力し2005年に死去したフレッド・コレマツ氏の記念日に当たる30日、欧米メディアは、イスラム圏7カ国の入国を禁じたトランプ大統領への非難が高まる中、コレマツ氏の信念に改めて光を当てた。

 コレマツ氏は1919年、カリフォルニア州オークランドで日系2世として生まれ、41年12月の日米開戦でルーズベルト政権が大統領令により実施した日系人強制収容を拒否し逃亡、その後逮捕された。
 逮捕は不当として収容所から連邦政府を相手に提訴、連邦最高裁は44年に棄却。82年に再び訴訟を起こし、翌年サンフランシスコ連邦地裁で、強制収容は人種偏見などに基づく誤った政策だったとの名誉回復判決を勝ち取った。
 カリフォルニア州は誕生日の1月30日をコレマツ氏の日と制定。この日、米グーグルは自社の検索サイトにコレマツ氏のイラストを載せて功績をたたえた。英ニュースサイト「インディペンデント」は「何かが間違っていると感じたら、声を上げることを恐れてはいけない」とのコレマツ氏の言葉を引用した。
 コレマツ氏は、米政府が強制収容を謝罪し、賠償金の支払いを決めた88年の市民の自由法(強制収容補償法)成立にも貢献した。

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