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ブラジル北東部で黒い尿の奇病=サンパウロからの旅行者も災難

 サンパウロ市在住のロブソン・ロドリゲスさんとシベリーさん一家は、ブラジル北東部のバイア州に旅行中、黒い尿の出る奇病にかかった。
 一家がバイア州に着いたのは1月18日。最初の3日間をフォルテ海岸で過ごし、魚料理を食べたところ、夫婦揃って強烈な痛みに襲われ、身動きできなくなると共に、黒い尿が出るようになったという。
 最初に症状が出たのはシベリーさんで、太ももの後ろの筋肉が突然、非常に強い痛みに襲われた。痛みはやがて背中から首に至り、腕に至った時には腕を持ち上げる事はおろか、身動きさえかなわない状態に陥った。シベリーさんはデング熱の感染歴があるが、今回の痛みはデング熱よりはるかに強かったという。
 ロブソンさんの症状は1時間ほど遅れて表れたが、二人共、腎臓をやられ、コカコーラのような黒い尿も出始めた。腎臓障害の程度はロブソンさんの方がひどかったが、シベリーさんは肝臓肥大も起きたという。
 二人共、保健所で受診後、ラウロ・デ・フレイタス市の病院に運ばれて治療を受けた。7歳と11歳の子供達も魚料理を食べたが、これといった問題は起きていない。
 ロブソンさんとシベリーさんはその後、サンパウロ市内に戻り、パウリスターノ病院に入院した。治療の基本は、とにかく水分をとる事だったという。
 バイア州での奇病について調べているアントニオ・バンデイラ医師によると、この病気の特徴は首筋や筋肉の強い痛みが出るが、熱は出ない。筋肉の炎症に伴って形成されるタンパク質のため、尿が黒くなる人もいるという。症状が重くなると腎臓の機能障害も起き、死に至る危険性もある。
 この病気はウイルスに感染した魚を食べて起きると見られているが、魚を食べていないのに発症した患者もおり、現在も調査中だ。
 バイア州保健局によると、昨年の12月14日から今年の1月24日までの間に同様の症状を訴えた人は64人に上り、この病気が原因と見られる死者も2人出ている。患者は中流から中流の上クラスの人が多く、上下水道の不備が原因とは考え難いという。セアラー州でも、1月31日現在で同病感染が疑われる症例が9件報告されている。(1日付G1サイトより)

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