ホーム | 日系社会ニュース | 《ブラジル》モジアナの小沢ユカさん優勝=サンパウロ州選抜カラオケ大会=739人が自慢のノド競う

《ブラジル》モジアナの小沢ユカさん優勝=サンパウロ州選抜カラオケ大会=739人が自慢のノド競う

グランプリを受賞した小沢ユカさん

グランプリを受賞した小沢ユカさん

 サンパウロ州の頂点、トップ歌手を決める第10回州選抜カラオケ大会(パウリストン)が、UPK(サンパウロ・カラオケ連合会、重田エウゾ会長)主催で10日から3日間にわたり、サンパウロ市文協の大講堂で行われ、サンパウロ州15地区よりレベルの高い739人の参加者が集まり、熱戦を繰り広げた。今大会のグランプリ賞は「逢いたくて今」を歌ったモジアナの小沢ユカさん(32、二世)の頭上に輝き、賞金3千レアルを獲得した。

 小沢さんは、歌の先生である母より、幼い頃から指導を受けてきたというサラブレッド。とても澄んだ、よく通る声の持ち主だ。総合審査委員長の蛯原忠雄さんは「得意な高音を生かした良い選曲だった」と小沢さんを評価した。
 海老原さんは「今大会の最高齢者である榊原真治さん(94歳)のような年配者によってブラジルのカラオケ界は支えられている」と感謝した。
 混血化が進んだ影響もあって年少参加者の大半をしめる四、五世は日本語が話せない。それでも舞台に立つため、歌の練習の他に日本語の発音練習してから出場するというハンデがある。
 「年齢やレベルが上がるにつれ、語感表現が重要となっていく。日本語の特性を深く理解していないと難しい」と説明する蛯原さん。
 そんな現状から年々減少傾向にある年少者に対し、海老原さんは「家で歌うだけでなく、もっと舞台に立つ勇気を持って歌って欲しい」と積極的参加を呼びかけた。
 さらに「日本語話者が減少していく中でカラオケをどう存続させていくか、どう年少者を育てていくかが今後の課題」と総括した。
 各カテゴリーの優勝者は以下の通り。
 [インファンチルの部]E(5歳まで)島袋ダニーロ、D(6から7歳まで)山本ラウラ、C(8から9歳まで)山口アキラ、B(10から11歳まで)サイトウ・アキエ、A(12から13歳まで)ヨシカワ・ミワ、[ちびっ子の部]C(8歳まで)ヨコタ・カオリ、B(9から11歳まで)ヨシナリ・ラウラ、A(12から13歳まで)島袋ダニーロ、[ジュベニールの部]B(17から20歳)イトウ・アケミ、A(14から16歳)タイラ・カレン[ベテラーノの部]E(81歳以上)メドリマ・セオキ、D2(76から80歳)タカハシ・ユミ、D1(71から77歳)クニモト・ノリコ、C2(66から72歳)ミヤモト・カルロス、C1(61から67歳)カキノキ・ユキエ、B(51から60歳)フジイ・カズエ、A(41から50歳)シンデ・ヨシアキ[成人]B(31から40歳)小沢ユカ、A(21から30歳)大橋サユリ[ポップ]ジュラシックポップ。


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 カラオケのパウリストン大会には700人前後のすごい人数が出場するのに、グローボTV局がやっている素人歌唱番組「ザ・ヴォイス」や「ザ・ヴォイス・キッズ」(子供版)では、日系人の姿をみることは非常に少ないのが不思議だ。リベルダーデのカラオケ店でも、非日系がブラジルの歌謡曲ばかりを集うタイプの店が増えている。日系人はいつも日本の歌謡曲ばかりなので、その種のテレビ番組に出ることはなく、出ても「変り種」的な扱いになることが多い。せっかく上手に歌えるのだからブラジルの曲にも果敢に挑戦し、「ザ・ヴォイス」にも出場したらどうか。そこで優勝したら、「やっぱり日系人は歌がうまい」という評判がさらに広がるのでは。

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