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軍人が日系人らと交流=新年会で協力関係育む

(左から)野村市議、平崎会長、セルジオ陸軍大臣、中前総領事、マウロ総司令官

(左から)野村市議、平崎会長、セルジオ陸軍大臣、中前総領事、マウロ総司令官

 ブラジル陸軍南東部(マウロ・セザル・ロレナ・シジ総司令官)とリベルダーデ友好協会(平崎靖之会長)は先月16日夜、陸軍南東部宿舎にて新年会を開催した。陸軍関係者や県人会会長ら60人近くが駆けつけ、懇親を深めた。
 サンスイ社で社長補佐を務める平崎会長が、その生業から軍上層部の日系人を中心に、10数年に及んで広く交友関係を築いてきた。昨年は〃伝説の日本兵〃小野田寛郎氏の功績を称え、陸軍図書館から伝記出版されるなど、陸軍と日系社会との交流を深めてきた。
 そんななか初開催となった新年会では、セルジオ・ウェストファーレン大統領府安全保障室大臣をはじめ、マウロ総司令官ら将官5人を含む40人近くの軍関係者に加えて、日系社会からは、中前隆博在聖総領事、野村アウレリオサンパウロ市議、県人会会長ら20人近くが出席した。
 平崎会長、中前総領事、野村市議に続き、マウロ総司令官があいさつ。昨年まで南東部で参謀長を務めた池田隆蔵陸軍少将との交友関係に言及した上、「日系社会からたくさんの皆様に参加して頂き、ともに新年を祝うことができ大変嬉しい」と乾杯の音頭を取ると、関係者らはブッフェに舌鼓し、歓談を楽しんだ。
 参加した市川利雄富山県人会長は、「軍人は体力だけでなく、知力が問われる時代。入隊してくる若者の教育レベルの低さに悩む声もあった」と普段聞けない話に興味津々の様子。また、「昨年の日本祭りでは、陸軍から空手披露に参加してもらった。今後も、色々な交際関係が発展していけば」と期待を込める。
 松村滋樹鹿児島県人会会長も、「九州ブロックでは、南東軍指令部の運動場を借りて、運動会をやっている。きちんとルールを守っているからこそ信用を頂き、お借りできている」と軍部との交流を語り、「日本食が健康によいということで、話が色々広がった」と顔が綻んだ。
 ブッフェに加え、ピラルクー愛好会長でもある平崎会長の着想でピラルクーが振舞われたほか、川合昭秋田県人会長は地酒である高清水を持参。また、小野田さんの伝記の即売も行われ、出席者にはいけ花協会のカレンダーを配布するなど、日系社会への関心を高める機会ともなった。
 「軍部でも日系人の将官が活躍して、認められているからこそできている」と平崎会長は喜びを見せ、「来年の新年会ではぜひお雑煮を振舞って、日本食にも親しんでもらえれば」といった期待があちこちから漏れた。

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