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開館控え外務省・中原室長来訪=ジャパンハウス出来栄えに自信=継続視野、企画は28日以降に

事業について説明する中原室長

事業について説明する中原室長

 5月初旬に開設を控える日本政府の広報施設ジャパン・ハウスで、視察のため外務省の戦略的対外発信拠点室の中原直人室長がサンパウロ現地を訪れた。親日家の裾野を広げるための施設完成に自信を見せ、親日家育成に向け日本文化を発信していく。

 中原室長を代表とする同室は、外務省内のハウス運営窓口に当たる。今回の来訪は開館を控え、事務局との調整などが目的だった。事業立ち上げに当たり麻生太郎財務相からは、「役人がつまらん口出しをするな。専門家に任せろ」といった意思が伝えられていると明かした。
 そんな前置きもあり、出来栄えに対しては「一納税者として質が高いと感じる」として、「街並みと調和の取れた外観。内装もモダンな空間に日本素材がちりばめられた。専門家の皆さんのおかげ」と感謝した。
 「広大なスペースを間仕切りで区切り、展示会、ワークショップなど多様な用途に適応できそうだ」と展望し、文化や物販、政治、経済など全方位で日本を発信していく。「ビジネスや留学への関心を広げ、お互いが抱える課題の克服に向けた取り組みもできれば」とも語った。
 企画内容が明らかになるのは、28日の運営委員会後になりそうだ。上海万博(2010年)のブラジル館を手がけた、マルセロ・ダンタス企画室長が中心になって当地の需要を日本政府側に伝えている。「農業、教育分野の提案もあった」と明かし、何度も日伯を往来した中で、新たに発見した日本の良さも取り込まれるという。
 現在のところ予算を獲得したのは19年3月まで。それ以降に関しては「外部から協賛金を集めるなどしている。ブラジルに関してはルアネー法も活用できる」との見通しを語った。
 継続に関しては数値目標がカギとなる。日本への理解度、関心度などは数値化しづらいが、入場者数やインターネットでの拡散度、メディア露出回数といった評価指数についても事務局と話し合った。
 コロニアとの連携は未知数だが、「五、六世など関心の薄れた日系人に対しても、自身のルーツに立ち返るような事業ができれば」と展望している。

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