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《ブラジル》坂本龍一、三宅純が公演=ジャパン・ハウス開館記念で=サンパウロ市公園の1万5千人前に

ピアノの演奏で会場を魅了する坂本龍一(撮影:望月二郎)

ピアノの演奏で会場を魅了する坂本龍一(撮影:望月二郎)

三宅純の公演の様子(撮影:望月二郎)

三宅純の公演の様子(撮影:望月二郎)

 ジャパン・ハウス(JH)開館記念イベント、日本人有名音楽家の坂本龍一と三宅純による野外コンサートが、7日午後6時からサンパウロ市イビラプエラ公園内の野外音楽堂で行なわれた。来場者は無料で観ることができ、会場には約1万5千人が集まった。

 

 客席の最前列に陣取った駐在員、中道浩之(52)さんは「開演の3時間前から待っている」と話し、同僚の坂口・ユリ・ナタリアさん(27、四世)も「三宅さんと共演するサンパウロ州立交響楽団の演奏が聞きたくて来た。南米一といわれているので楽しみ」と声を弾ませた。

 公演の冒頭、JHの平田アンジェラ館長が挨拶し、「ジャパン・ハウスは皆さんの家。このコンサートもリラックスして楽しんで」と挨拶した。

 三宅純(59)は、日本国内外の映画や舞台作品の作曲を多く担当。最近ではリオ五輪閉会式で演奏された「君が代」の編曲を担当し、注目を浴びた。今回が初のブラジル公演で、1時間半に渡り、ワールドミュージックが演奏された。

 サルヴァドール出身の歌手ブルーノ・カピナンは中性的な歌声を披露し、ブルガリア音楽の声楽隊は、日が落ちた野外会場に神秘的な雰囲気をかもした。本人はピアノやトランペットの演奏で参加した。

 続く坂本龍一(65)のステージは1時間ほど。70年代に結成された音楽グループでの活動や映画音楽の作曲などで有名。2001年にはアントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲を収録したアルバム『CASA』を発表している。

 本人によるソロのピアノ演奏で始まり、新作アルバムなどからオリジナル曲を披露。演奏の合間にポ語で挨拶した。アルバム『CASA』を共作したモレレンバウム夫妻を加えて、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲を演奏。終盤には来場者と共に、ボサノバを合唱する場面もあった。

 代表曲である映画『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲の演奏が始まると、会場からは歓声があがり、美しいピアノの音色が来場者を魅了した。

 母親と来た写真家カロリーナ・フェリスさん(39)は、「大学生の頃に初めて坂本龍一の音楽を聞いてから、ずっと好き。ブラジルでライブを見られるなんて夢のよう」と話した。

 家族で来た大滝繁信さん(50、二世)は「楽しみにしていた『戦場のメリークリスマス』が聞けて良かった」と笑顔で話した。カラオケ教室の講師を務める広瀬秀雄さん(72)は、「歌も演奏もハイレベルで聞き応えがあった」と公演を振り返った。

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