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皇室の歴史を子孫に伝えよう=『日本文化第5巻』販売開始=国体安定の秘密を紐解く

日本文化第5巻

日本文化第5巻

 「皇室について子や孫に口で説明するのは難しい。だが大事なものだけに、しっかりと理解してほしいと常々思っている。良い本はないか」――そんな読者からの声を受け止め、サンパウロ青年図書館とニッケイ新聞は『日本文化(Cultura Japonesa)』の第5巻を刊行した。日本移民110周年を翌年に控え、皇室のどなたかが御来伯される期待が日系社会で高まりつつある中、125代に渡り継承されてきた世界最古の王朝「皇室」が今回のテーマだ。

 同書は、毎週土曜日に好評連載中の、日本人独自の精神性や文化、歴史を紹介する「国際派日本人要請講座」の内容を中心に、本紙編集部が日系社会の話を付け加え、日ポ両語にしたもの。
 神道の大祭司として国家の安寧を祈る天皇は、国民の精神的支柱を成してきた歴史がある。「皇室」の存在をより深く理解することにより、日本という国のなりたち、文化や思想が理解できるような本になっている。
 『国民を思う万世一系の祈り』は、初代神武天皇から脈々と引継がれてきた祭祀についてだ。皇室は、国民の知らないところでその幸せを日々祈りつづけている。
 『皇位継承~聖なる義務の世襲』では、「行政府の長」と「元首」に求められる素養は異なると解説する。これを読めば、現在のブラジルのように国民がPT対現政権のように対立して分断する現状とは一線を画している理由が分かる。美徳や品性を備え、「国民統合の象徴」として天皇が存在するからこそ、大震災などの有事が起きても国民の精神が安定していると納得させられる。
 『ブラジル日系社会へのお言葉を振り返る』では、移民五十周年を期に三笠宮殿下が御来伯して以来、計3度に渡り天皇陛下が当地にお越しになられた歴史と、そのお言葉と回顧するもの。高齢移民や在日伯人に対しても深く思いを寄せられて来られたお姿が浮き彫りにされる。
 『多羅間俊彦~「昭和の天孫降臨」と呼ばれた男』では、明治天皇の孫でありながら皇籍を離脱し、伯国に渡った多羅間氏に備わる自由主義的な気風がどこに由来するのかを紐解いたもの。
 幕末期に穏健派の公武合体派の領袖として活躍したことから明治新政府の本流から退けられた祖父。そして、戦争終結の際総理大臣として戦争処理の陣頭指揮を執り、敗戦の責任を取って皇族離脱した父―。そんな血筋に対する諦観から、一介の移民として生活した元皇族の人物像が垣間見えてくる。
 『終戦を支えた皇族たち』では、終戦を決意された昭和天皇のお心を、第一線で戦う精鋭部隊に伝え、その矛を収めるために、死をも覚悟して前線に赴いた皇族たちの姿が描かれる。
 旅立つ竹田宮恒徳王に、母・昌子内親王は「皇族の三人や五人は死ね」と苛烈なまでの激励を送った。その結果、789万人もの将兵が君主の号令一下、見事な降伏ぶりをみせた。
 『復興への3万3千キロ』では、終戦直後に全国を巡幸して、国民と共に苦難に涙した昭和天皇の足跡を追う。国民を身近に感じることに心を砕かれたお姿に、国民は励まされ、戦後の目覚しい復興の原動力となった。
 『光格天皇~明治維新の基を築いた62年の治世』では、内憂外患により幕藩体制が動揺を見せるなか、光格天皇の判断により皇室の威光が大きく向上し、それが尊王攘夷や近代国家建設の原動力に繋がってゆく様を描いたもの。
 最後には昨年8月8日日、今上陛下が生前退位の意向を滲むお気持ちを国民に向けて表明されたお言葉全文を収録した。そこに『なぜ「生前退位」が議論されているのか?』を加え、生前退位に関する議論を解説する。現行憲法下において初めて即位し、象徴天皇として日々模索し、全身全霊をもって務めてこられた今上陛下の思いを紹介する。
 日本の行く末を左右する皇室のことだけに、この本を読めば、二世、三世はもちろん、日本に興味があるブラジル人も、生前退位に関し、いかに慎重な議論を要するかが理解できるはずだ。(※第5巻は本紙編集部、太陽堂書店、竹内書店、高野書店で好評販売中)

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