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10万人分の手形で絵を=当地で収集、東京パラで展示へ

サンパウロ日伯援護協会の自閉症児療育施設に訪問し、ハンドスタンプを行なった様子(本人提供)

サンパウロ日伯援護協会の自閉症児療育施設に訪問し、ハンドスタンプを行なった様子(本人提供)

 一般社団法人「ハンド・スタンプ・アート・プロジェクト」(代表・横山万里子)の海外特派員、宮澤かれんさん(18歳、東京)が4日に来社し、活動報告をした。
 この「ハンド・スタンプ・アート・プロジェクト」(HSAP)とは、病気や障害を抱える子供や支援者らの手形を集めて一つの美術作品を作り、2020年の東京パラリンピックの開会式での掲示を目標とするプロジェクトだ。18年までに10万人分の手形を収集する予定だ。
 3月に高校を卒業したばかりの宮澤さんは、海外特派員として世界各国を訪問している。4月22日に日本を経ち、2週間ほどブラジルに滞在。リオとサンパウロ市の福祉施設や日本人学校などを訪れ、プロジェクト参加者の手形を集めて回った。
 宮澤さんは日本で障害を持った子どもとの触れ合いを通して、福祉に関心を持ち、HSAPの活動に携わることにした。「障害をもった子どものお母さんたちから始まったプロジェクトなので、家庭がある皆に代わって私が行こうと思った」と旅の経緯を語った。
 宮澤さんは9日にペルーのリマに向かい、その後は欧米を回る予定。今回が初来伯。旅の出発点をブラジルにしたのは、「父親がブラジルにサッカー留学の経験があり、色々と話を聞いていて思い入れがある。ぜひここから始めたいと思った」と話した。


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 宮澤さんは今回の旅をするに当たって、「クラウドファインディング」で旅費150万円を調達した。クラウドファンディングとは、インターネットなどを通じて不特定多数の人から資金を集める仕組みのこと。HSAPの活動に賛同して支援した人には、見返りとして宮澤さんから活動報告や直筆のお礼の手紙が届く。この仕組みを活用して他にどんなプロジェクトがあるかというと、著名な考古学者によるピラミッド発掘や、老朽化が進んだ京都の着物店の復旧など様々だ。日系社会でも110周年記念事業などのために、クラウドファインディングで資金を調達してみては?

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